• 「大事な場面の前になると悪いことばかり考えてしまう」
  • 「最近ずっと気分が暗い」
  • 「ポジティブ思考になりたいけど何をすればいいか分からない」

物事を否定的、悲観的に捉えてしまうネガティブ思考。そんなネガティブ思考を治したいと思っている人も少なくないのではないでしょうか?

実は、ネガティブ思考を改善するには睡眠が有効であることがわかっています。

なぜ人はネガティブ思考になってしまうのか?
なぜ睡眠がネガティブ思考の改善に有効なのか?

この記事では、こういった疑問について詳しく解説していきます。

ネガティブ思考になってしまう理由

ある大学の研究によると、人がネガティブ思考になるのは主に4つの要素が関係しているとされています。

  • 否定的感情表現
  • 自信喪失
  • 他者非難
  • 後悔と恥

どれもがネガティブになりうる要素であり、またこれらが複合的に重なり合って重度のネガティブ思考となる場合もあります。こういった要素を引き起こす原因として、以下のようなケースが考えられます。

原因1.集中的・慢性的なストレス

ストレスは、ネガティブ思考を引き起こす直接的な要因になります。
例えば、仕事で厳しい叱責を受けたり、成果が出せていない状況が継続している時、「自分はダメな人間だ」という感情に支配されてしまい、ポジティブ思考のしづらいメンタルになりやすくなってしまいます。

また、否定的な言動を頻繁に受ける環境にいることで気持ちが落ち込み、結果として否定的な思考(ネガティブ思考)へと変わってしまうこともあります。

原因2.過去の経験によるトラウマ

今までポジティブ思考だった人でも、大きなショックを受ける経験をしてしまうことで、自己肯定感が大きく削がれ、ネガティブ思考になる場合があります。

また、信頼していた人に裏切られるといったトラウマがある場合は、「また同じように裏切られてしまうだろう」というネガティブ思考から、心を塞ぎ込んでしまうこともあります。

原因3.生活習慣によるホルモンバランスの乱れ

感情のコントロールや精神の安定に深く関わる神経伝達物質に「セロトニン」というものがあります。

セロトニンが不足すると、活力が出ずネガティブ思考になるとされています。セロトニンを十分に分泌させるためには、「運動・食事・日光を浴びる」ことをはじめ、ストレスフリーな生活が重要になります。基本的な生活習慣を改善し、セロトニンを分泌させることがポジティブ思考への変化に効果的です。

ネガティブ思考改善に「睡眠」が効果的な理由

一般的に、何かを改善するためにはその原因を解決する必要がありますが、ネガティブ思考の原因となるトラウマ慢性的なストレスは、根本的な改善策がわからずに悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのが、十分な睡眠を摂るという行動です。なぜ睡眠がネガティブ思考に効果的なのか、主に3つの理由が考えられます。

理由1.身体と脳の疲労回復に繋がる

睡眠中は脳の活動を休められるので、乱れているホルモン(自律神経)を整えられます。
ホルモンを整えることで、ネガティブ思考の原因の一つであるストレスへの耐性を高めると共に、回復を見込めるのです。

セロトニンを分泌させるのに運動が有効とされていますが、運動を行うには一定の体力が残っていなければいけません。ですので、体力回復に睡眠が効果的とされているのです。

理由2.生活習慣改善につながる

十分な睡眠は、規則正しい生活を送ることにもつながります。

睡眠不足は生活習慣病やメンタルヘルスの乱れに大きく関与し、健康的な生活を送るうえでもっとも大きな障害となります。一般的に、働き盛りの成人男性は一日7時間睡眠が理想とされており(※理想の睡眠時間は年齢によって変動します)、睡眠は自律神経をはじめとする体内環境の構築に欠かせない要素です。

毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きるという行為を繰り返すことで、体内時計が整い気力やエネルギーが生まれるのです。ひいては生活リズムを整えることにもつながり、規則正しい生活を送ることができるようになるのです。

ちなみに、同じ睡眠時間でもサイクルが異なると上質な睡眠を摂ることが難しくなります。たとえば、休日前に夜更かしして翌日の昼間に起きるといったようなサイクルの場合、体内環境がうまく整わずに疲労が抜けないおそれがあります。あくまで同じ時間に睡眠・起床をすることが大切です。

理由3.ネガティブ思考のループを断ち切れる

出典:Unsplash.com

ネガティブ思考になると、悪い考えが更に悪い考えを引き出してしまうような、負のループに悩まされることがあります。そんなときは、睡眠により一度思考をリセットするといいでしょう。

寝ることで物理的に思考を断てるのはもちろんですが、ネガティブ思考に陥っている状況から一時的に離れることで、現状を客観視するような冷静さを取り戻せます。

また、睡眠の時間が中々取れないという人は、AIによるメンタルカウンセリングもおすすめです。今ではユーザーに合わせたストレスケアを提案してくれる会話型カウンセリングアプリも登場し、睡眠不足や生活改善に悩む人のよきパートナーとなってくれるのです。AIロボと会話をすることで心が癒され、自分を変えることができるかもしれません。
SELF MIND

生活を改善して、メンタルを回復させよう

いかがでしたか?

睡眠は身体と脳の疲労回復を促進させ、ネガティブ思考の改善に効果的です。上記のような基本的な行動を心がけ、健康的な生活を送ることこそがネガティブ思考から脱却し、ポジティブに生きるためのカギと言えるでしょう。

しっかりと寝て生活リズムを整える。
ネガティブ思考で悩む人は、今日から実践してみてくださいね。

Source:

白石智子、相馬英恵、島津直美
ネガティブ状況下における否定的自動思考ーその内容と生起頻度が抑うつに与える影響ー
阿久津洋巳、小田島裕美、宮聡美
ストレス課題によるポジティブ感情とネガティブ感情の変化
小西正良、吉田愛実
セロトニン分泌に影響を及ぼす生活習慣と環境

著者情報

SELF

北里大学医療衛生学部出身の医療系ライターを筆頭に、精神衛生やメンタルケアに特化した記事を得意とする。学術論文に基づいた記事を多く手掛けている。

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