ネガティブ志向からおさらば
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  • 「ポジティブシンキングを身につけよう!」

もしかしたら、あなたもよく聞く言葉ではないでしょうか?

物事を前向きにとらえられるようになったら苦労しないですよね。反対に、うまくいかなかったことばかりを思い出してしまったり、「何をするにもうまくいかないな」というように、何事もネガティブにとらえてしまう人も多いかもしれません。

何をしても失敗してしまうと憂いたり、不安になって沈んでしまうというような気持ちは自動思考から生じていると考えられています。自動的にネガティブに考えてしまうのは厄介なものです。

でも安心してください。
そんな厄介な自動思考は、トレーニング次第で強い味方にもなるのです。

ネガティブな自動思考とは?

ネガティブな自動思考
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自動思考という言葉ですが、ネガティブな考え方やとらえ方を修正していく認知行動療法においてよく使われています。何かがあった時に反射的に頭に思い浮かぶ思考のことで、これがネガティブよりな場合は注意が必要です。

抑うつ的な考え方を促進するのは、主にネガティブな発想同士が強くリンクすることだと考察されています。

暗闇で背中を向けている男性
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たとえば、一つの嫌なことがあった場合、それに関連して他の嫌なことについても連鎖的に考えてしまい、どんどんとネガティブ思考が枝分かれしていきます。そうなってしまうと、ネガティブな自己評価が何度も繰り返されて抑うつ的になっていき、将来についても前向きに取り組むことができない負のスパイラルに陥ってしまうのです。

嫌な経験ばかりしてきたという「過去・現在否定」の気持ちや、自分はダメな人間であるという「自己否定」が強いという自覚がある人は気をつけた方がいいでしょう。

身につけたい「ポジティブな自動思考」

ポジティブ
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この抑うつ的な考え方に対し、ポジティブな認知をすることで苦しみを低減することができるとされています。物事への考え方やとらえ方には、主に2つあります。

  1. 潜在的な認知…今まで生きてきて得た信念や考え方
     (例) 「生活の中には幸福がある。自分には長所もあるし、自分の命にはとても価値がある」
  2. 顕在的な認知…意識に浮かぶ、一瞬の反応
     (例) 「困難な状況だけど、自分ならきっと乗り切れるはず」

このように、物事を前向きにとらえることを繰り返していると、ネガティブ思考をストップさせて負のスパイラルから抜け出すことができます。

極端かもしれませんが、生きているだけで運がいいと考えれば、大抵のことは前向きにとらえられるのではないでしょうか。今日も目が覚めたのなら、それだけで素晴らしいことです。そうやって根本から辿っていくと、物事について許せる範囲がだんだんと広がっていきます。そうすれば、くよくよと悩まずに「別のことを考えよう」と気晴らしをする選択肢も出てくることでしょう。

また、今はスマホアプリでストレスをケアできる時代です。AIロボと会話しながら気持ちを落ち着かせ、感情を記録していくことで自身のメンタルを客観的に見ることができます。

続ければ続けるほどロボがユーザーのことを知っていくので、より的確なケアを受けることができます。よろしければ、AIカウンセラーでのストレス解消を一度試してみてください。
SELF MIND

ネガティブな自動思考をポジティブに変える3つの方法

ネガティブな自動思考と闘う
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では、自動思考をポジティブにしていくには具体的にどうしたらいいのでしょう?

方法1.なぜポジティブな体験ができたのかを考える

みんなの前でプレゼンをする男性
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例えば、あるプレゼンが上手くいったという経験があったとします。このプレゼンが上手くいった理由としては主に以下のようなことでしょうか。

  • ・真摯に取り組んだから
  • ・限られた時間の中で集中して作業ができたから
  • ・プレゼン力が高かったから

その他いろいろなことが考えられますが、その中の1つか2つ、もしくはそれ以上の要因が絡み合って成功したと言えるでしょう。

このように、成功体験がどんな要因によって生み出されたのかを考えるのです。事象や体験を筋道立てて考えることで、成功や失敗の秘訣が見えてきます。

方法2.ネガティブになったらポジティブなことを思い浮かべる

sportをする女性たち
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例えば、スポーツの大会で試合中に大きなミスをしたとします。

きっと「自分は大切な場面で失敗するような人間だ」と思ってしまうこともあるでしょう。しかし、そのネガティブ思考をポジティブ思考に変えるとこうなります。

  • 「悔しさをバネに練習すれば、結果的に前より上手くなるのではないか」
  • 「周りに励まされ、仲間の大切さを改めて知った」
  • 「あの時の失敗が、いつか話のネタになるかも」

このように、目先を変え、前向きに考えることを癖づけることで、次第にポジティブ思考が身についていくのです。

どんな失敗でもいいので、かつて失敗から立ち直った経験を思い出しましょう。立ち直る過程でポジティブに行った行動あるいは思考があったなら、その部分にフォーカスするのです。

方法3.ポジティブな記憶が自分にどういう影響を与えているか考える

2の続きを考えます。

ミスをした後、悔しさをバネに練習したという経験がある場合、自身の粘り強さに目を向けます。それは、失敗にめげることなく努力ができる人間だったという証明になるでしょう。

また、周りに励まされたのなら、たくさんの人に支えてもらえるような人徳のある人間だったという長所が見えてきます。

上記のような方法を何度も行うことで、ネガティブ思考の隙間にポジティブ思考が割り込むようになり、ネガティブとポジティブが同時に発動するようになります。そうやって少しずつネガティブ思考のリンクが断ち切られることで、だんだんとストレスが軽減されていくのです。

上を見て嬉しそうに手を広げる男性
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自動思考は味方にすれば頼もしいものです。
前向きな人生を歩むためにも、ぜひポジティブな自動思考を身につけてくださいね。

Source:

福井至(北海道女子大学人間福祉学部)、坂野雄二(早稲田大学人間科学部)
抑うつと不安における不合理な信念と自動思考および気分の関連 (人間福祉研究 2000 No3, 1-12)

義田俊之、中村知靖
抑うつの促進および低減プロセスにおける自動思考の媒介効果(教育心理学研究 2007,55,313-324)

著者情報

SELF

北里大学医療衛生学部出身の医療系ライターを筆頭に、精神衛生やメンタルケアに特化した記事を得意とする。学術論文に基づいた記事を多く手掛けている。

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