• 「給料が出たらまずブランド品を買う」
  • 「特に欲しくないのに好きなブランドの新作が出たら買ってしまう」
  • 「ブランド品を買うために生活に支障が出ている」

多くの人にとって、ブランド品は高級品ゆえに買うのは簡単ではありませんが、物欲や所有欲を満たすこともあり、経済力にかかわらず熱狂的になる人たちがいます。俗に言うブランド品依存症の人たちです。

ブランド品依存症に陥ると、正常な判断力が欠如しメンタルヘルスにも悪影響を及ぼします。そんなブランド品依存に陥る人の心理や対策方法とはいったいどういうものなのでしょうか?

ブランド品依存症の人の心理

黒のブランドバッグ
出展:Unsplash.com

ブランド品依存症の人たちには、主に3つの特徴があると考えられます。

特徴1.優越感を感じられる

恍惚な表情の女性
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ブランド品依存症の特徴の一つとして優越感があります。ブランド品を身にまとって街を歩いたり、友人に会ったり、SNSでブランド品へのリアクションをもらったりすることで優越感を得ようとするのです。

ある研究によると、優越感を得られるような行動をする人は、今までの自分の生き方や行動に劣等感を感じているケースが見られることから、ブランド品依存症の人の多くは、潜在的に優越感を得たいと思っているのではないでしょうか。

特徴2.満足感を得たい

自分のTシャツを眺める男性
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また、満足感を得たいというのもブランド品購入の動機の一つです。

ブランド品依存症の心理としては、「新作のバッグを買うために、次のボーナスまで仕事を頑張ろう」というモチベーションにもなるので、適度な購入意欲であれば問題ありませんが、度を越してしまうと自分の生活を圧迫しかねません。

特徴3.コレクター気質である

レコードを選ぶ手
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「同じブランドロゴの製品があったら手元に置いておきたい」「使うかは分からないが新作だから買っておきたい」など、元々持っているコレクター気質がブランド品購入につながっている場合もあります。

この場合、ブランド品を購入すること自体が目的になっているので、ブランド品依存症の人は浪費癖も気質として持っていることが多く、複数のブランド品を求めるなど「集める」ことに糸目をつけないのが特徴です。

また、コレクター気質の心理の一つとして所有したら興味がなくなってしまうということもあり、買ったブランド品が使われずに山になっていく人もいます。

ブランド品依存症の改善・克服法

資金力があり、好きなだけブランド品を買えるという人もいれば特に問題はないかもしれませんが、おそらくそういった人はほんの一握りでしょう。ブランド品依存症の人にとって、依存症を克服するには意識的に行動する以外に対処法はありません。

ここからは、どうやったらブランド品依存症から抜け出せるかをご紹介します。

対処法①.趣味を見つける

ブランド品に依存してしまう人は、ブランド品を購入することに生きがいを感じていることが多いです。そのため、他の熱中できることを見つけられれば、ブランド品を購入する優先度を下げられる可能性があります。

そこで有効なのが趣味を見つけることです。

アウトドアでもインドアでも構いませんが、ランニングやカラオケのように手軽にできるような趣味だといいでしょう。趣味に興じることで意識をブランド品から遠ざけられ、物足りなさ空虚といった依存症の原因となりうる心理からの解放にもつながります。

ブランド品を含む買い物依存症になる人の一部には、「人間関係が希薄で、自分らしさをさらけ出す機会が少ない」という研究結果があります。自分の感情を抑制しなければならないといった孤独感を日常的に感じている場合、寂しさを埋めるために買い物依存症になってしまうのです。

対処法②.お金の自己管理をする

クレジットカード片手にパソコンをする手
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また、ブランド品依存症に多いのが「自分がどれだけ買い物にお金を使っているのかを把握していない」ケースです。

クレジットカードを使ってブランド品を購入し、カードの請求が来た時に支払金額に驚き、すぐに支払えないからリボ払いにする…なんていう人ももしかしたらいるかもしれません。

そうならないためにも、お金の管理は日常的にクセづけることが重要です。依存症を克服するうえで大切なのは、自分がどれだけお金を使ってしまっているかを認識することです。お金の使いすぎを自己認知することで、お金を使ってはいけないという自分への戒めにも繋がり、ブランド品の買い控えにも繋がるでしょう。

対処法③.カウンセリングを受ける

女医
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近年は、ブランド品などの買い物依存症の治療を専門としたカウンセリングを行っている病院もあります。依存症を一種の病気ととらえ、医療機関での診療を受けることは依存症の改善・克服に効果的です。ブランド品依存症で悩んでいる人は、臨床心理士や精神保健福祉士などの有資格者にカウンセリングを受けるのも手でしょう。

さらに、場所によっては集団療法によるブランド品依存症のメンタルケアが可能です。集団療法では「ブランド品を買いすぎてしまうのは自分だけではない」と感じられるため、孤独にならず、仲間とともに治療を進めることができます。
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適度な買い物で依存症から脱却しよう

バッグを持ったコート姿の女性
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ブランド品はオシャレや豊かさの象徴でもあります。身につけることで自分に自信を持てる他、一種のステータスとして魅力を感じる人は多いでしょう。しかし、購入すること自体にとらわれ、自分を見失っては本末転倒です。

自分にとって何が一番大切なのか、豊かさとは何なのか、この記事がそれらを改めて考えるきっかけになれれば幸いです。

Source:

里村卓也
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著者情報

SELF

北里大学医療衛生学部出身の医療系ライターを筆頭に、精神衛生やメンタルケアに特化した記事を得意とする。学術論文に基づいた記事を多く手掛けている。

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