- 「メンヘラどういう意味?」
- 「私ってメンヘラなの?」
- 「メンヘラな人とどうやって接すればいいの?」
インターネットで作られた造語をインターネットスラング(=俗語)と呼びますが、メンヘラという単語は比較的昔から使われています。
この記事では、メンヘラという言葉の意味や語源に加え、メンヘラの治し方・接し方について解説します。
目次
メンヘラの意味は「心が病んでいる人」
メンヘラは、メンタルヘルスという精神的健康という意味を持った単語が語源となっていますが、ネット上では「何らかの精神的な異常を抱えている人」「度を越した愛情表現をしてしまう人」という意味で使われています。
メンヘラの語源にはいくつか説がありますが、匿名掲示板において「メンタルヘルス板」という精神的な悩みをテーマに会話するスレッドがあり、そのスレッドで会話していそうな人達をメンヘラ―と呼んでいたことから生まれたと言われています。他にも、メンタルヘルスをメンヘルと略し、英語の“er”を付けてメンヘルな人という意味合いで使われるようになったとも考えられています。
現在はメンヘラの意味が広がっており、例えばメンヘラ彼女という単語は、「(感情的な意味で)重い女」「面倒くさい性格の女性」という意味なります。比較的メンヘラと称されるのは女性の方が多く、男性にメンヘラと言うケースは少ないといった特徴があります。
メンヘラの特徴(性格)
上述した通り、メンヘラとは精神的なものを表しており、性格にも一定の共通点があります。ここでは、その共通する性格について解説します。
(※医学的根拠はなく、あくまで傾向です)
1.寂しがり屋で人に依存しやすい
メンヘラは常に誰かとの繋がりを求めやすい寂しがり屋です。
そのため、SNSやメッセージアプリにログインを繰り返しては、多数の人とのやり取りをし続けます。いいねやリアクションをもらうことで、自分は誰かに必要とされているという承認欲求を満たすことで、心を落ち着かせる傾向があります。
また、一度できた繋がりに依存しやすいのもメンヘラの特徴です。メッセージの返信が遅いなど、かまってもらえない寂しさを感じると執拗に連絡することがあります。
2.感情の起伏が激しい
メンヘラは感情の起伏が激しく、ちょっとしたことですぐに泣いたり怒ったりする特徴があります。
これは感受性が豊かというよりも、自分が傷つけられたといった自分本位の思考に基づくものが多く、こういった人に対して何らかの指摘をする時には言葉の使い方に注意する必要があります。
3.物事をネガティブに捉えやすい
メンヘラは、寂しがりでありつつも自己中心的なものの考え方をする傾向にあり、自己肯定感が低いといった特徴も持ちます。そのため、物事をネガティブに捉えやすく「どうせ自分なんて…」と考えてしまうことで不安のループに陥っていることも珍しくありません。
また、ネガティブ思考が加速してしまうことで、被害妄想にまで発展してしまうケースもあります。「みんなから自分は嫌われている」「自分はここにいてはいけない存在だ」と感じてしまい、うつ病などの精神病に罹う人もいます。
メンヘラの特徴(身なりや挙動)
メンヘラの性格的な特徴から、身なりや挙動についてもある程度共通した特徴が挙げられます。
1.SNSに大量の投稿をする
メンヘラの心理として、常に自分を見て欲しい・慰めて欲しいと考えている傾向にあり、SNSや掲示板など多くの人の目に触れる場で過度な投稿を行うケースが多いです。
内容的には、「ほんとつらい」「どうしよう」「死にたい」のように、自分が落ち込んでいるという点がフォーカスされ、心配する言葉をかけてもらうような行動をとることがあります。
2.自傷行為を習慣的に行う
自傷行為とは自分の意思で自身の一部を傷つけてしまう行為であり、代表的なものには手首を刃物で傷つけるリストカットや、規定容量以上に服薬をするなどが挙げられます。
ある研究では、自傷行為のほとんどは衝動的に行われているという結果も出ており、感情の起伏が激しいメンヘラが自傷行為に走るのも不思議ではありません。加えて、自傷行為は一度行ってしまうと習慣化するとの調査結果も出ているので、転じてメンヘラは夏でも長袖を着ているという特徴にも繋がります。
自傷行為を行うことで、脳内モルヒネ様物質のエンケファリンの血中濃度が上昇し、結果として心の痛みを一時的に抑えているという仮説があります。メンヘラは他の人よりもストレスが溜まりやすく、メンタルが落ち込みやすいことから、自傷行為とある意味相性が良いのです。
3.連絡の返信が速い
メンヘラは他人と常に繋がっていたいと考えているので、連絡をした時の返信スピードが速いといった特徴を持ちます。
それだけでなく、必要以上に返信が送られてくることもあります。一度返信したことに対するリアクションが無いと、「どうしたの?」「おーい」など返信を催促することも珍しくありません。
メンヘラの人に対する接し方とは?
男性女性問わず、メンヘラな人ともやり取りをしなくてはいけなかったり、メンヘラの人を好きになったり、上手く付き合わなければいけない場面が出てきます。メンヘラな人と上手く付き合っていくために重要なスタンスは、常に中立な距離感を取り続けるということです。
メンヘラな人に否定的な対応をしてしまうと、メンタルを逆撫でし、今後のコミュニケーションが取りづらくなってしまう恐れがあります。一方、過度に心配して優しくすることで「この人は自分を認めてくれる人だ」と思われ、執拗に執着されてしまいかねません。
メンヘラの人と深い関係になりたいということでなければ、自分から連絡を取らず、連絡が来たら適度な距離感を持って対応するといいでしょう。また、メンヘラな人と長く付き合っていきたい場合は、相手の性格を迎合するか、相手がメンヘラになってしまった要因を取り除く必要があります。
メンヘラはすぐに治せるものではありません。地道なコミュニケーションを続けるだけでなく、場合によってはメンタルカウンセリングに同行するといった行動も必要になるでしょう。
また、カウンセリングは直接クリニックなどに行って受けるのが一般的でしたが、今はスマホ一台でAIによるカウンセリングを受けられます。「人に悩みを話せそうにない…」という人は、アプリを使ったカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか?
→SELF MIND
自分がメンヘラの場合の対処法・治し方とは?
また、自分のメンヘラな部分を治したい場合は次のようなことを試してみましょう。
1.相手がどう思っているかを聞いてみる
自分が感じていることだけを一方的に相手に押し付けてしまうことをやめ、相手の考えを聞くように心がけてみましょう。
思い込みの強さが起こしてしまうすれ違いを重ねてしまうと、ネガティブ思考が加速し、結果的に他人からメンヘラだと思われかねません。「自分はこう思うけど、あなたはどう思う?」と相手に寄り添うスタンスを持つことで、メンヘラな部分を抑えられるかもしれません。
2.SNSを見る時間を減らす
SNSを見ると人と繋がりたい思いが抑えられなくなり、依存欲が出てきてしまうので、できる限りSNSを見る時間を減らしてみてください。
いきなりSNSを断つのは難しいという場合は、見る時間を決めるなどしてSNSに触れる時間を徐々に減らしていきましょう。のべつ幕なしに見るのではなく、メリハリをつけることが大切です。
例えば、今までSNSを見ていた時間を読書や映画鑑賞といった室内で楽しめるような趣味の時間に置き換えると、自然とSNSを見る時間を減らせるのでおすすめです。
メンヘラを正しく理解し、正しく付き合おう
メンヘラのネガティブな特徴を挙げて解説しましたが、決して関わらないことを推奨するものではありません。
メンヘラを正しく理解し、個性だと捉えることで無理のないコミュニケーションをとっていけるのではないでしょうか。
Source:
松崎良美
「“メンタルヘルス・スラング” を定義する―都内女子大生を対象とした横断研究より―」
山口豊、窪田辰政、須部宗生、杉山三七男、下川学、横沢民男、松本俊彦
「自傷行為の実態について」