未曾有の感染拡大となってしまった新型コロナウイルス。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の発表によると、2021年5月時点で新型コロナウイルスの感染者数は全世界で1億6千万人以上、死者数は340万人を越えています。
そんな中、「コロナうつ」と呼ばれる症状に苦しむ人たちがいます。不安や憂鬱、イラ立ちなどで心が塞ぎ込み、メンタルヘルスのバランスを崩してしまうのです。そういった症状を防ぐためにも心のケアは欠かせません。
目次
眠れない、やる気が出ない…「コロナうつ」の症状とは?

コロナ禍において、精神保健福祉センターや民間の相談窓口に寄せられる相談は様々です。
- ・夜眠れない
- ・食欲がない
- ・憂鬱な気分が続く
- ・職場や学校に足が向かない
- ・仕事や勉強、家事が手につかない
- ・注意力が欠如してミスが増えた
- ・以前は楽しめていたことが楽しめない
- ・酒やたばこの量が増えた
他にもありますが、こういった症状のうち当てはまる数が多ければ多いほどうつ病発症のリスクが高いと言われています。
ある女性は「嗅覚障害が気になってしまい、ちゃんと臭いがするかどうか夜中に何度も起きてしまう」という悩みを抱え、彼女の場合、新型コロナウイルスの感染拡大により職を失い、ようやく再就職先を見つけたところで、初出勤前に自分が感染していないかどうかナーバスになっているのです。
必要以上に敏感になるというのもストレス要因のひとつです。「ささいなことでもイライラしてしまう」「子供にきつく当たってしまう」など、今までは平気だった物事に対して敏感に反応してしまうのは、新型コロナウイルスによって日常が大きく変わり、環境・状況に適応することが難しくなっていることが原因だと考えられます。
歩く速さと関係あり?メンタルを守る3つの方法
うつ病や精神障害を防ぐには、日頃からこまめにストレスを発散することが大切です。以下、3つほどストレス解消法を紹介します。
1.不安や悩みを紙に書き出す

頭に浮かぶ不安や悩みをすべて紙に書き出し、「自分で解決できること」と「自分では解決できないこと」に分けてみましょう。
新型コロナウイルスによる猛威は誰もが予想し得なかった事態と言えます。そんな不測の事態において、自分の手で解決できる点は実は限られていることが多いのではないでしょうか。世の中には自分の手に負えない出来事もあるという認識をもち、できないことは諦めるという決断を下すことも大切です。
また、紙に書いて整理することで、不安要素が視覚的にも明確になるので心を落ち着かせることができます。自分にできることが何なのかを把握し、解決に向けて行動していくことができればコロナうつを防ぐことにもつながるのです。
ちなみに、これと似たストレス解消法のひとつに「ネガティブ・ダストビン」という手法があります。「ネガティブ要素を紙に書いて捨てるだけ」という簡単なストレス解消法なので、こちらも合わせて試してみてください。
2.日記をつけて生活リズムを整える

日記をつけるという行為もメンタルヘルスの改善に有効です。
日記をつけることによって日々のスケジュールを見つめ直し、暮らしのリズムを安定させることができれば過度な飲酒やゲーム依存、過剰な食事摂取への抑止力にもつながるのです。
日記をつける際には、わかりやすく色分けなどをして記しておくとより効果的です。
- ・仕事関係は黒色
- ・家族関係は青色
- ・プライベートは黄色
- ・健康管理は赤色
このように、後で振り返ったときに生活習慣のバランスが確認しやすいと、改善案も生まれやすくなります。
3.運動をする

新型コロナウイルスの蔓延により、外出や人とのコミュニケーションが難しくなりました。その結果、体を動かす機会が減ったという人も多いのではないでしょうか?
ここで興味深い研究結果があります。
2020年にイギリスで行われた大規模コホート研究によると、歩く速度が遅い人は、歩く速度が速い人に比べて新型コロナウイルスに感染するリスクが約66%高いという結果が出たのです。
歩行速度と感染リスクにどういった因果関係があるのかはまだ解明されていませんが、歩行速度は有酸素能力と関係が深いことがこれまでの研究でわかっています。有酸素能力の高い人は呼吸機能や循環機能、免疫機能も高いことが報告されていることから、歩行速度が遅い人は呼吸機能や循環機能が低く、免疫機能も低いことで感染しやすいのではないかと考えられます。
運動は一見するとメンタルヘルスとは無関係に思われますが、運動不足を解消することが間接的にメンタルヘルスの改善・維持に効果的であることがわかっています。また、運動不足はホルモンバランスの乱れや睡眠障害など様々な弊害を生むおそれもあるので要注意です。
・感染対策をして外出する
・家の中で体を動かす(家事やストレッチなど)
など、制限が多い中でいかに運動不足を防ぐかが大切です。
「AIカウンセリング」でコロナうつを防ごう

肉体的な不調と違い、精神的な不調は認識しづらいケースが多いです。 ストレス解消法を実践しているにもかかわらず「いつもと違う」「なんかおかしいな」というように違和感を感じたら、無理せず誰かに相談しましょう。
特にコロナ禍では外出制限や自粛により社会的に孤立しやすくなる懸念もあるので、電話やメール、SNSなどで家族や友人とコミュニケーションをとったり、心療内科や専門医に相談するのもありです。オンラインでカウンセリングを受けたり薬を処方してもらえるところもあるので、遠慮せずに受診してください。
ただ、中には性格的に相談しにくいという人や、カウンセラーは敷居が高いと思う人もいるかもしれません。そんな人にオススメしたいのが「AIカウンセリング」です。
その名の通り、AIが人間をカウンセリングをし、ストレスをケアしながら日常生活のサポートをしていくというものです。相手がAIなので、時間や場所を問わず言いにくいことも言えるため、気を遣う心配がありません。
- 「気が滅入っている」
- 「誰かと喋りたい」
- 「メンタルを整えたい」
そんな人は、ぜひAIカウンセリングを試してみてください。→ SELFMIND
Source:
木村美也子(聖マリアンナ医科大学 予防医学教室)、尾島俊之(浜松医科大学 健康社会医学講座)、近藤克則 (千葉大学 予防医学センター 社会予防医学研究部門)(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老年学評価研究部 )
【新型コロナウイルス感染症流行下での高齢者の生活への示唆:JAGES研究の知見から 】(日本健康開発雑誌 J-STAGE Advance published data: June 02, 2020)