「今すぐにでもストレスを解消したい!」

そう思う人は多いのではないでしょうか?

ストレス社会である現代において、ストレスの解消は欠かせません。今回は、ポジティブな効果が実証されている手軽にできるストレス解消法を紹介します。その名も「ネガティブ・ダストビン」です。

紙とペンさえあれば誰でも簡単にできる

ネガティブダストビンとは、読んで字のごとく「ネガティブをダストビン(ゴミ箱)へ」という意味です。

具体的には、嫌なことや辛いことなどのネガティブな思考を紙に書いて、その紙をビリビリに破って捨てる。それだけです。

ネガティブなことを書き出す時間は2~3分で構いません。内容は一言でも長文でもよく、とにかく今感じている気持ちをストレートに言葉にするといいでしょう。

紙はノートでもメモ帳でも、何ならチラシの裏でも構いません。家や仕事場、喫茶店でも、紙とペンさえあればいつでも誰でもできる手軽なストレス解消法なのです。

ストレス耐性を高めるネガティブ・ダストビン

ネガティブ・ダストビンは、2012年にスペインの大学で行われた実験でも効果が実証されています。

頭の中でぼんやり考えていることを紙に書くという行為は「思考の物質化」と呼ばれ、脳は紙に書かれたものを「ストレスがモノになった」と錯覚するのです。モノとなったストレスをゴミ箱に捨てることであたかもストレスが消え去ったと感じられ、気分がスカッとするというわけです。

ただし、紙に書いたネガティブワードをゴミ箱に捨てても完全にはネガティブ思考は消えません。何なら思い出すこともあるでしょう。しかし、ゴミ箱に捨てたという事実を脳は覚えているため、ネガティブ・ダストビンを続けることで徐々にネガティブ思考が頭に浮かびにくくなっていきます。

このように、脳の錯覚を利用してストレス耐性を高めていくことができるのです。

ネガティブ思考を捨ててポジティブに

ネガティブ思考から脱却できる可能性のあるネガティブ・ダストビン、簡単なのでネガティブになった際にはぜひ試してみてください。

ストレスを受けた際に大切なのは、自身で何かしらのストレス解消法をもっておくことです。これは「コーピング」と言って、メンタルヘルスを正常に保つ上で大切なことです。

ネガティブ・ダストビン以外にも、手軽にできるストレス解消法は他にもたくさんあります。あなたに合うストレス解消法を持つことが、健全で快適な生活を過ごすカギとなるはずですよ。



(※1月14日追記)
介護職に特化した情報サイト「きらッコノート」さんに、本記事を掲載していただきました!

高齢化が進む現代において、これからますます介護の需要が増えていくことでしょう。人手不足や重労働に悩む介護職の方々にとって、本記事が少しでもストレス発散のお役に立てたら幸いです。→きらッコノート

Source:

Pablo Briñol1,2, Margarita Gascó1, Richard E. Petty2, and Javier Horcajo
【Treating Thoughts as Material Objects Can Increase or Decrease Their Impact on Evaluation
Article in Psychological Science · November 2012

著者情報

SELF

北里大学医療衛生学部出身の医療系ライターを筆頭に、精神衛生やメンタルケアに特化した記事を得意とする。学術論文に基づいた記事を多く手掛けている。

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