あなたは自分をさらけ出すことができますか?
悩みごとがあったとしても、誰かに相談すればアドバイスをもらえたり、ただ悩みを聞いてもらえるだけでも心の曇りがちょっと晴れたりしますよね。
しかし、悩みを抱えていながら誰にも相談できない人もいます。「相談するのは恥ずかしい」「弱みを見せたくない」など、自分をさらけ出すことができずに一人で抱え込んでしまうのです。
実は研究により、自尊心の高い人ほど自己開示ができない傾向にあることがわかっています。
目次
自分をさらけ出すことのメリットとは
自分をさらけ出すのは簡単ではありません。弱みをさらすのは勇気がいる行為であると同時に、信頼できる相手が必要です。
しかしメリットもあります。
困ったことや辛い気持ちを他人に話すと、抑うつ症状の改善やメンタルヘルスの向上といった効果があることがわかっています。
悩みを人が聞き、認めてくれたという事実は自己価値観を高め、孤独感を減らします。また、生じていた不安感も同意を得られたり適切なアドバイスがもらえることで次第に薄れ、次のアクションが取りやすくなります。
そして、嫌なことがあった時、人は誰かに話したいという強い衝動を抱きます。この感情も、人に吐露することで満足することができるという側面があるのです。
自分をさらけ出せない3つの理由

メリットはあるものの、弱みを見せられない人は多いものです。それは、他者に苦しい胸の内を話すときにネガティブな予測がよぎることが原因だと考えられます。
では、ネガティブな予測とはどういうものなのでしょう?
理由1.ヒエラルキーが下がる

まず、自分をさらけ出すことで相手との関係性に変化が生じ、ヒエラルキー(人間関係における階層)が変わることを危惧していると考えられます。弱みを知られることで自分の立場が下がると思い込んでしまうのです。
相手が上がるのではなく、あくまで自分が下がるという認識でいるため、一度陥ってしまうとネガティブ思考に支配されてしまいます。思考を変えない限り改善するのは簡単ではありません。
懸念2.周囲の視線が気になる

また、さらけ出して自分を知られた結果、人から好奇な目で見られることに恥ずかしさや不安を覚えるケースがあります。「軽蔑されないか」「悪い気分にさせないか」といった周囲からの自分の印象を気にするあまり、思っていることを発言するのに躊躇してしまうのです。
自分の常識は他人にとっての常識とは限りません。思っていることが相手の価値観にそぐわないものであれば、相手を困らせてしまうという懸念が自分をさらけ出すことの障壁となり得ます。
懸念3.ネガティブなことを思い出したくない

さらに、自分をさらけ出す過程でネガティブな思い出を想起し、再びネガティブな気持ちになることを避けたいというケースもあります。
たとえば、苦い思い出や思い出したくない過去があった場合、再びそこに手を入れることで気が滅入ってしまうことがあります。言うなれば古傷をえぐるような行為にもなりかねないため、自分をさらけ出すには大きな勇気と覚悟が必要になるのです。
自尊心の高い人は「自分の印象」を気にする

人には自尊心というものがあります。
自尊心とは自分に対する肯定的な態度のことで、他人から見た自分の評価ではなく、自分で自分をどう思うかという判断です。一般的に、自尊心は自分が有能であるという自信と、自分には価値があるという自尊の2つから成り立っていると考えられています。
この自尊心の高さは、自分をさらけ出すことができるかどうかという問題に大きく影響しています。
たとえば嫌なことがあったとき、自尊心の低い人はそうでない人よりも精神的ダメージが大きいことがわかっています。これは、過去に自分の価値を高いと実感した経験が少なく、心に拠りどころがないと考えられます。
逆に自尊心が高い場合、たとえ挫折や壁を経験しても「他にも楽しいことはある」「自分には別のいい部分がある」というように、過去の経験や思考回路が未来へと繋がるためネガティブになりにくいのです。
言い換えれば、わざわざ苦い経験について他者に共有するようなことはせず、ネガティブな印象を他者に与えないようにしたいという印象管理の側面から、人に弱みを見せることを避ける傾向にあります。
腹を割って話すことが大切

自分をさらけ出すという行為は誰もができることではありません。
しかし、たとえば人間関係において問題が発生した場合、思っていることをさらけ出すことで解決に繋がるケースもあります。逆に言えば、さらけ出さずに内に秘めていることで問題がこじれ、解決が難しくなるおそれもあるでしょう。
また、自分をさらけ出すことで親密な人間関係が構築できる可能性もあります。それは、弱みや恥ずかしい部分も全て晒すことで自分の壁を取っ払い、相手を迎え入れることができるからです。人は同調する生き物です。腹を割って話すからこそ、より強固な信頼関係を築くことができるのではないでしょうか。
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→ SELF MIND
Source:
片山 美由紀
【否定的内容の自己開示への抵抗感と自尊心の関連】(心理学研究/67 巻 (1996-1997) 5 号)