- 愛かお金か
- パンかごはんか
- キノコかタケノコか
世論を二分する論争は数多くありますが、その中でも最たるものの一つが『犬派』『猫派』ではないでしょうか。
犬と猫。
人間のパートナーとも言えるべき両者ですが、どちらを選ぶかによって、その人の性格が分かるとしたら…ちょっと興味深いですよね。実は犬派と猫派にどのような性格的な特徴があるかについては、様々な調査・研究がされているのです。
思いやりのある犬派と、自由奔放な猫派
「ビッグファイブ」と呼ばれるパーソナリティを形成する五つの要素について、犬派と猫派で比較した研究(表1)によると、次のことがわかりました。
- 犬派の方が、猫派より協調性が高い
- 猫派の方が、犬派より開放性が高い
調査の結果、思いやりや協力的な態度を示す「協調性」は、猫派より犬派の方が高いことがわかりました。犬派は、他者との繋がりを求め積極的に関わろうとする傾向があるということです。
一方で独立性や知的好奇心の高さを示す「開放性」に関しては、猫派に軍配が上がりました。猫派は犬派よりもマイペースで創造性が豊かな傾向があるようですね。
犬派は褒められたい性格の持ち主!?
犬派・猫派の性格についてもう少し詳しくみていきましょう。
犬派に関しては、猫派よりも報酬依存が高いことを示す研究があります。報酬依存とは、他者との関わりを求め、周囲から評価をされることを求める特性のことです。(報酬というとお金をイメージしがちですが、ここでは人間関係で得られる報酬を指します)
これは先ほど紹介したように、犬派の方が人との関わりを求める傾向にある、ということにも関係がありそうですね。自分がSNSでいいねを欲しがっているタイプだとすると、ひょっとしたらあなたは犬派かも…?
猫派はオン・オフの切り替えが上手
猫派に関しても、興味深い調査があります。
「猫を飼いたい」と答えた猫派の人は、私的な場面に比べて公的な場面における外向性が高まる程度が大きかったとのことです。
つまり猫派の人は、プライベートでは内向的でも、仕事や学校などの場面においては外向性を発揮する傾向にあるということですね。オン・オフの差が大きいとも言えそうです。
「猫をかぶる」という言葉があるように、猫好きの人は内での顔と外での顔にギャップがあるのかもしれませんね。
類は友を呼ぶ? 好きな動物と「自分」
好きな動物によって性格が異なるなんて、ちょっと不思議ですよね。実はそのカラクリ、一説には類似性が影響しているとされています。
先ほど紹介した犬派猫派の特徴をまとめると次のようになります。
- 犬派・・・人との関わりを大切にし、褒められると嬉しい
- 猫派・・・マイペースを好み、内と外での顔を使い分ける
どうでしょう。
なんとなく、犬・猫の性格そのものと近いような気がしませんか? ペットと性格に関する調査では、自分の性格と似ている動物を好ましく感じるという可能性も示唆されています。
つまり、猫が好きだから猫のような性格になったりする訳ではなく、元々猫寄りの性格だから猫が好きになるということですね。なるほど、そう考えればつじつまが合いそうです。
犬派と猫派の性格について、思い当たるフシはありましたか? あくまで統計をもとにした結果ですので、一概にそうと言えるものではありませんが、犬派か猫派のどちらかという雑談は、相手の性格を推し量るヒントになるかもしれません。
犬派も猫派も、それぞれのストレスケアを
犬派・猫派による性格診断に関しては他にも様々な調査が行われています。これはメンタルヘルスにも影響を及ぼす可能性があるとされており、自身の性格を把握することは、より適切なストレスケアができることにもつながると考えられています。
ストレス社会において、いつどこで受けるかわからないストレスに対処するには、自分に合ったストレスケアの手段を持っておくことが大切です。これをストレス・コーピングと言います。常にストレスケアができる状態にしておけば、心置きなく日常生活を送ることができるのです。
今、「AIカウンセリング」が注目を集めています。臨床心理士や専門家に代わり、スマホアプリ上でAIロボがユーザーと会話をしながらメンタルケアをしていくというものです。日々の会話からロボットがユーザーを知っていき、長く続けるほど理解が深まるため、より的確なアドバイスを受けることができます。
人には話しにくい悩みでもロボットになら話しやすく、時間も場所も問いません。犬や猫のようにペットとして寄り添うわけではありませんが、日々のサポート役によかったら SELF MINDを試してみてはいかがでしょうか。
Source:
田島 司
「イヌ好きとネコ好きのパーソナリティの特徴」 日本パーソナリティ心理学会(2017)
齋藤 慈子
「ネコ好きとイヌ好きでパーソナリティは異なるか」 日本心理学会第74回大会(2010)
齋藤 慈子、中村 敏健、平石 界、長谷川 寿一
「ネコ好きとイヌ好きでパーソナリティは異なるか(2)」 日本心理学会第75回大会(2011)