詩集

「詩」読んでますか?メンタルヘルスにおすすめの詩とは

「詩」読んでますか?メンタルヘルスにおすすめの詩とは

「最近何をしても心が休まらない…」
「心を落ち着かせるために読書を勧められたものの忙しくて時間が取れない…」
「何か手軽に始められる趣味が欲しい…」

メンタルヘルス的な観点で、多くのサイトでは読書が効果的であると解説されています。
実際に読書をすることで、ストレスの軽減や視野の拡大、教養の深まりなど、多くのメリットが得られますが、ある程度時間が必要なことから、中々手を出せていない方もいるのではないでしょうか。
「長い文章を読むのは避けたいけど、手軽にメンタルヘルスケアに取り組みたい」と考えている人におすすめしたいのが、「詩の黙読」です。
この記事では、詩の黙読のメリットと、メンタルに与える影響について解説します。

詩を黙読するメリット

詩を読む人

まずは詩を黙読することによって得られるメリットについて解説します。

想像力や表現力が高まる

詩には全てを細かく書かずに、読み手の想像力に解釈を委ねられているような描写が多く、行間を頭の中で想像することが必要になります。
例えば、有名な相田みつをの「にんげんだもの」でも色々な想像ができるでしょう。

ーつまずいたって いいじゃないか にんげんだもの みつをー

読み流すと特に何も感じないかもしれませんが、この詩からは「本質的な人間の弱さ」や、「上手くいかない自分は情けないなんてことはない」といったメッセージを想像できます。
多くを語られない「詩」という作品であるからこそ、想像を膨らませて楽しめるのです。

また、口に出した時のリズムの良さや見た目の美しさが特徴的な詩もあります。
一種の言葉遊びのように表された詩を読むことで、自身の表現力も高められるメリットがあります。
表現力は感性によるものが多く、先天的なものと捉え、その習得を諦めてしまう人もいますが、芸術的な表現の詩に触れることで、後天的に習得することも可能です。

小説よりも短時間で読み切れる

詩は、短歌や俳句のように文字数が決まっている定型詩と、自由律俳句やポエムのような文字数が定められていない自由詩に分けられます。
長い自由詩でも15行程度であるため、一つ一つの作品を短い時間で読み切ることが可能です。
もちろん、同じ詩を何度も読んで想像力を膨らませるという楽しみ方もできますので、早く読めるから詩が小説よりも優れているということではありません。
大事なのは、詩の方が小説よりもメンタルへの負荷がより少ないという点です。

例えば、話題になっている小説を読み始めた時、続きが気になってしまい、睡眠時間を削ってまで読書の時間に当ててしまうと、睡眠不足によるメンタルの落ち込みをもたらす可能性があります。
それに対して詩は、一作品ごとの読み切る時間が短いため、気ままに読むことができます。
スキマ時間で自由に楽しめるという点も、詩のメリットと言えるでしょう。

詩の黙読がメンタルヘルスに与える影響

一ページと一節

ある大学の研究では、「詩の黙読・朗読は、メンタルに良い影響を与える」という結果が出ています。
学術的にもメンタルヘルスへの有効性が見られる詩の黙読について、その影響を解説します。

ゆったりとくつろいだ気分になれる

ポジティブな内容の詩を黙読することで、ゆったりとくつろいだメンタル環境にすることが期待できます。
何気ない日常の一コマから人生の美しさを切り取ったものや、生きることの尊さを謳ったものなど、肯定的な詩を読むことで、自分自身も肯定的な気分になる(気分一致効果)という研究結果も出ています。

同時に、ネガティブな内容の詩を読んでしまうと、自分もネガティブな気持ちになりやすいというデータもあります。
そのため、気分を落ち着かせるために詩を読もうと考えている人は、詩の内容やテーマをあらかじめ把握した上で読み始めるようにした方が良いでしょう。

気晴らしの効果が期待できる

詩を読むことで、作品が表現している内容の想像を膨らませるなど、集中力を向けることができます。
これにより、もし何か悩んでいることがあっても、一時的にその悩みから離れられるため、気晴らしができます。

気晴らしをするために重要になるのが、「現在の暗い気持ちを、別の気持ちで蓋ができるか」という観点になります。
そのため、詩の読書で気晴らしを望む場合は、ポジティブな内容の詩であるかどうかが重要になります。

初めての人におすすめの詩人

詩は世の中に多く存在していますので、これから詩を読んでみたいと考えても、誰の詩を読めば良いか悩んでしまうかもしれません。
ここでは、初めて詩を読む人でも読みやすく、楽しめるおすすめの詩人を簡単に紹介します。

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俵万智(たわら まち)

▼この詩人をおすすめする人:物語のような詩を読んでみたい人

俵万智の作品である「サラダ記念日」と言えば、現代短歌の最大ベストセラーになったこともあり、多くの人が知っているのではないでしょうか。
日常的に使われている口語表現を用いて紡がれる詩からは、作者の目から見える日常に隠れた美しさだけでなく、その状況の背景の想像など、様々な楽しみ方が可能です。

谷川俊太郎(たにかわ しゅんたろう)

▼この詩人をおすすめする人:色々なジャンルの詩を読んでみたい人

日本の小学校、中学校を卒業した人であれば、授業のどこかで谷川俊太郎の名前をみたことがあるのではないでしょうか。
彼の作る詩は、ほのぼのしたものやリズミカルなものだけでなく、生き方を考えさせられるものまで様々なジャンルが繰り広げられ、正に変幻自在の詩人と言えます。
谷川俊太郎は、詩だけでなく絵本や小説も執筆していますので、大人から子供まで楽しめる点も魅力的なポイントです。

八木 重吉(やぎ じゅうきち)

▼この詩人をおすすめする人:短めの詩をたくさん読んでみたい人

八木重吉の詩の特徴は、「ひらがなが多用されていること」、「10行未満の短い詩が多いこと」、「自然や家族を謳った詩が多いこと」が挙げられます。
この記事で解説した、メンタルに良い影響をもたらすポジティブな詩が多く書かれている点がおすすめするポイントになります。
ちなみに、詩集は二冊のみしか刊行されていません。

詩を読んでメンタルを健康に保ってみましょう

詩を日常的に読んでいる人は少ないと思います。
それは、詩の良さを知らないということと、詩が身近ではないという二つの理由によるものが多いのではないでしょうか。
詩をただ読むだけでは「読んだという事実」しか残らないかもしれません。
しかし、詩を読み深めることで、幅広い物事の吸収やメンタルの回復が望めます。

今日から、詩と触れ合ってみませんか。

Image:Unsplash
Source:

森田晴香,菅村玄二
詩の黙読が感情状態と気晴らしに与える効果
佐田吉隆
朗読による精神面での積極的休息が知覚―運動学習に及ぼす効果

AUTHOR

SELF

北里大学医療衛生学部出身の医療系ライターを筆頭に、精神衛生やメンタルケアに特化した記事を得意とする。学術論文に基づいた記事を多く手がけている。