セルフトーク

あなたも今すぐメンタルケア!「セカンドパーソン・セルフトーク」とは

あなたも今すぐメンタルケア!「セカンドパーソン・セルフトーク」とは

「セルフトーク」には癒し効果がある

自分の心に聞いてみよう!

あなたは独り言を言いますか?

私たちは、無意識に自分に語りかける「セルフトーク(自己対話)」をする習慣があります。「大丈夫!」と自分を励ましてみたり、「あぁ、自分はなんてダメなんだ」と卑下してみたり、心の中で無意識に語りかけてしてしまうものは「セルフトーク」と言えます。

そういった内なる声は、日常の様々な場面で知らずと役立っています。

・自分を励ます
・計画を立てる
・問題を解決へ導く
・懐疑的思考を凝らす

あらゆる思考の中でじっくりと自分を見つめ直す。実はこれら全てに「セルフトーク」は活用されているのです。

多くの場合、セルフトークで話しかけている相手は私たちの自己肯定感そのものを表すと言われています。また、幼い頃に周りからどのように接してこられたかがセルフトークをする際の会話の仕方に反映されるのです。

最近、自分に語りかけた言葉はどのような内容だったでしょうか?
ポジティブで親身に応援する声でしたか?
それとも、自分がいかにダメかを批判する声でしたか?

セルフトークをコントロールすることによって、ステレスへの耐久性を上げたり、よりポジティブなメンタルに自分を持ち上げていくことができるのです。

ポジィティブとネガティブなセルフトークとは

自己批判:ネガティブなセルフトーク

ネガティブなセルフトーク

ネガティブな内容のセルフトークが増えれば、疑心が強く、自己肯定感の低い心になっていきます。これは高いストレス、不安、抑うつ、羞恥心へもつながります。アメリカ国立衛生研究所の研究によると、自己批判をするごとに身体がストレス反応を起こすことがわかっています。

もし自己批判が習慣になってしまっているとしたら、自己批判していることに気づくのは難しいかもしれません。しかし、セルフトークの内容をよく観察することで、自分がどこでネガティブに陥りやすいのか気付くことができます。環境や周囲の人間などがネガティブなセルフトークを引き起こすきっかけとなっているケースは多いのではないでしょうか。

ネガティブな傾向になりやすい要因がわかれば、心の準備や改善方法をうまく見出すことができます。ネガティブ要因を作り出しているものを全て取り除けることもあるかもしれません。

普段の生活でストレスを感じたら、まずはストレスに気付き、立ち止まって、自分が今どんなセルフトークをしようとしているのか注目してみるといいでしょう。もしネガティブなセルフトークに気付いたら、ネガティブな内容に影響される前に、体験をポジティブな視点から見つめ直してみましょう。考え方を変えるのは簡単ではありませんが、経験を重ねることで誰でもネガティブで毒性のある考え方から抜け出すことができるのです。

自分を信じよう!ポジティブセルフトーク

ポジティブなセルフトーク

逆に、ポジティブなセルフトークを増やすことによってやる気やパフォーマンス、メンタルヘルスが向上します。楽観的に物事を捉えながら自分を励ますことができると、問題解決できるようになり、常識にとらわれない考え方や困難な状況でもストレスに耐えうる精神が備わってきます。さらには、ストレスや不安によって引き起こされる身体へのネガティブ反応も軽減できるのです。

カナダの大学でセルフトークの効果を検証した結果、ネガティブな思考はポジティブに言い直していくことが重要だと結論づけられています。脳内を耐えずポジティブで励ましのある内容で埋め尽くしていくと、自分だけでなく、他人に対する見方を変えていくこともできます。自己啓発の分野でも、ポジティブ思考が大事だという理由にはこのような裏付けがあるのです。

セルフトークをする際、心の中のポジティブな内容のボリュームを上げてみたり頻度を増やすとより効果的です。私たちが日頃使っている言葉や思考は、普段からまわりの人や環境に大きく影響を受けています。周りにいるポジティブ思考な人と過ごす時間を増やすことで自分自身をポジティブに染めていくのです。

ネガティブな言動をポジティブなものに変えられるように意識していくことが大切です。自分を応援し、支えていける存在は自分自身なのです。

「どうやって」セルフトークするか

建設的な会話:セカンドパーソン法を取り入れよう

ポジティブ思考を実践していく上で、最初は無理にポジティブにしようとするのは難しいかもしれません。もしかしたら不快感を感じる人もいるでしょう。「自分は現実主義者だ」と感じる人ほどネガティブなことから目を背け、ポジティブでカバーすることに抵抗感を感じる傾向にあります。

そういった方に吉報です。
ただポジティブなセルフトークで自分の思考を埋め尽くさなくとも、より建設的なアプローチ法があります。

2014年、アメリカのミシガン大学で行われたセルフトークの仕方と効果についての実験では、被験者全員にスピーチを行うように言い渡し、スピーチの準備をしている間のセルフトークで使う「代名詞の違い」でグループ分けをしました。その結果、内容がポジティブ・ネガティブであるというよりも、話し方や「代名詞」の使い方の方が重要であることが判明したのです。中でも、「セカンドパーソン(二人称)」を使ったセルフトークを実践したグループが、最も良いパフォーマンスを発揮しました。結果として、このグループの被験者たちは、スピーチ後に感じるストレスや後悔、恥ずかしさといった感情が最も軽く済んだと言えるでしょう。

この実験から分かるように、セルフトークに使う代名詞を少しシフトしてみるだけで、ストレスのある状況下でも上手に感情、思考、行動をコントロールしていくことができるのです。

自分との会話の視点を変えてみよう!

代名詞を変える事で変わる視点

ここで、セルフトークにおける一人称、二人称、三人称の違いを比べてみましょう。
下の文章を、自身に語りかけるように声を出して読んでみましょう。

ファーストパーソン(一人称):
A.「試験の準備しなくちゃ。私ったらなんでまだ始めてもいないの?」
B.「私は緊張なんかしていない。みんなに理解してもらえるように、今からゆっくりと話をしよう」

セカンドパーソン(二人称):
A.「君、試験の準備した方がいいよ。なんでまだ始められていないのかな?」
B.「緊張なんかする必要ないよ。みんなが君を理解できるようにゆっくり話した方がいいんじゃないかな。」

サードパーソン(三人称):
A.「彼、試験の準備した方がいいよね。なんでまだ始めていないんだろう?」
B.「彼、緊張する必要なんかないのにね。みんなが理解できるように、彼はゆっくり話した方がいい」

このように、同じ内容を伝えているにもかかわらず、代名詞を変えることで自分の視点が変わり、受け取る印象にも違いが出ます。

ファーストパーソンAの「私ったらなんでまだ始めてもいないの?」は批判的に聞こえます。逆にセカンドパーソンの代名詞を使って同じ質問をすると、友達に問いかけるように質問することができます。しかし、サードパーソンまでいくと、同じ質問でも少し距離を感じるような問いかけになります。

科学的には、セカンドパーソンによる自己対話や内面視が、問題と自己との距離バランスを保つ上で最も効果的であると言われています。

自分自身との距離を保つことが大事

問題に対して感情的になってしまっているとき、私たちは無意識にファーストパーソンの代名詞になりがちです。しかし、代名詞を変えるだけで健康的な「自分自身との距離」をつくることができます。この距離をつくるには、セカンドパーソンかサードパーソンの代名詞を使うといいでしょう。実は、サードパーソンを使ったセルフトークというのは、脳では他の人と会話しているかのように認識されることがわかっています。

自己との距離

「自分自身との距離」がメンタルヘルスにおいて大事な理由には3つあります。

1、不安な気持ちをコントロールしやすくなるという利点
2、ストレスを感じる可能性のある状況に対して距離を保つことで、その状況から受ける脅威を減らし、チャレンジとして迎え入れる気持ちに変える
3、ストレスを感じる状況下での自己コントロールを強めることで、ストレスに負けず、良いパフォーマンスの手助けとなる

また、セルフトークをする上で健康的な「自分自身との距離」を保つ方法をまとめてみました。

  • 感情的になり過ぎてしまうことを避けるために、代名詞を変えてセカンドパーソンでセルフトークを進める
  • 困っている友達を助けるのと同じような気持ちで、親身に、励ましになる言葉で語りかける
  • 自分の感情を肯定しましょう。抱えている感情を否定するのではなく、建設的で思いやりのあるアドバイスを差し伸べましょう
  • 目標をハッキリと想像しましょう。今ある問題から自分を引き離して、ゴールを達成できる方法にフォーカスしましょう
  • 日記をつけましょう。紙に自分の状況を書き出すことは、自分の感情や状況を客観視できるきっかけとなります

想像力を用いて、視覚化されたイメージで「自分自身との距離」をはかっていくことも効果的ですが、これには「想像力に集中できる環境」が必要になります。かたや脳内で簡単にできるセルフトークは、他の作業をしながらでも手軽に実践することができます。


セルフトークは身一つですぐにでも始められ、短期的に励まし効果のある実践法です。日頃のメンタルケアをしていく上でも、セルフトークのスキルを磨くことは実用的と言えるでしょう。

人生で一番よく聞く声というのは他ならぬ自分自身の声です。

あなたは自分が成長するような問いかけをしていますか?
それとも成長を妨げるような自己対話をしていますか?

自分自身が自分の最高の応援団となれるよう、日頃から意識してみるといいのではないでしょうか。

画像: Unsplash

ソース:

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Rawlings, R. (2019, May 7). The Connection Between Self-Talk and Wellbeing – Mind Cafe. Medium. https://medium.com/mind-cafe/what-self-talk-has-to-say-about-mental-health-d87a22ca0848