• 「子育てが上手くいかずにイライラしてしまう…」
  • 「子どもが何を考えているか分からない…」
  • 「子育てで必要なことを知りたい…」

親にとって、子育てというのは楽しみでもあり、それ以上に大変であると感じる人は多いのではないでしょうか。思い通りにいかないことでイライラし、精神的に参ってしまうケースがあります。周りに頼れない場合やシングルマザー、シングルファザーにとってはなおさらでしょう。

では、子育てでイライラしないためにはどうしたらいいのでしょうか?ここでは、子どもの年代を二つに分けて見ていきたいと思います。

【乳幼児編】子育てでイライラしないための考え方

子どもにご飯を食べさせようとしている母親
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乳幼児の子育てでイライラしてしまう大きな要因として、「子供が何を考えているかが分からない」というものがあります。

コミュニケーションがうまく取れないのはつらいものですが、イライラしてしまう自分とも上手く付き合っていくことが、イライラしないためには重要なのです。以下、考え方のコツを3つご紹介します。

1.子どもの失敗をポジティブに受け止める

怒る子ども
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  • ・物を散らかす
  • ・予想外の行動をとる
  • ・言うこと聞かない

親にとってイライラするポイントは様々ですが、感情のままに行動するのが「子ども」です。
正しい行動を取るようにしつけをすることも大事ですが、逆に失敗することをポジティブに受け止めてみてください。

例えば、寒い日に長袖を着させようとしたとき、子どもがグズって半袖をせがんだとしましょう。親としては「風邪をひいてしまうから長袖を着なさい」と伝えますが、子どもは「長袖を着ないと風邪をひく」という意図がわからず、気持ちのままに拒否するでしょう。

ここで大事なのは、子どもに「こうしないと自分によくないことが起きる」という自己認識をさせることです。上記の例で言うと、子どもに半袖で外出させることで「寒い時は長袖を着た方がいい」と認識させることで学習していくのです。

2.完璧な親でなくても良いと認識する

赤ちゃんをあやす母親
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理想を目指すのと完璧を求めるのは似て非なるものです。
理想を目指して自分を磨くことは大切ですが、完璧を求めてしまうと自分に足りないものばかりが目につき、自己嫌悪に陥ってしまいます。

理想と現実を混同し、ストレスを抱えないためにも、自分に課するハードルを下げ、ある程度楽に生きることをおすすめします。

完璧な親などこの世にいません。
完璧な親でなくても良いという感覚を持つことが大切です。子育てにおいて一人でできることには限界があります。配偶者や親族、親戚などに協力してもらうことは何も恥ずかしいことではありません。

親であると同時に一人の人間であるということを忘れず、子どもと一緒に成長していく気持ちを持つことで、気分が楽になるのではないでしょうか。

3.中長期的な未来を妄想してみる

上を向く女性
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もし、子育てでイライラして配偶者や子どもに怒りの矛先を向けてしまいそうになったら、次のような中長期的な未来を想像してみてください。

  • ・今はこんなにヤンチャだけど、もしかしたらインテリ系になるかも?
  • ・小学生になったらどんなことに興味を持つようになるんだろう?
  • ・この子が親になった時、子育ての大変さを分かち合えるかな?

未来を想像することで、目の前のイライラから一時的に逃れられるだけでなく、今を頑張る活力にもなるでしょう。

【少年編】子育てでイライラしないための考え方

子どもをあやしながら仕事する女性
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ここでは“少年(男子女子両方を含む)”を厚生労働省の区分の通り、小学一年生から18歳までの者と定義します。

子どもが少年になることで、一人の人間としての自立が始まります。それに沿って親も意識を変えていかないと、子どもとの衝突を繰り返してしまいイライラしてしまいます。

ここで、意識するポイントを3つご紹介します。

1.子どもと自分が別人格であること認識する

肩を組む親
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小学生になると、自分で考えて物事を進めていけるようになるため、一人の人間として人格が形成されていきます。

子どもに対し過干渉に接することで言い争いに発展し、お互いにとってストレスになってしまう恐れがあります。子どもの成長に合わせて自分も成長し、多様な価値観を得ることが大切です。自分と子どもが別人格であるということを認識できれば、いい意味でメンタルに開放感が生まれるでしょう。

2.子どもの意見・個性を尊重する

カメラ目線の笑顔の少年
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子どもの意見を尊重することも重要です。

もし、親のさせたいがままに習い事を始めさせた場合、子どもは「やりたくないのに無理やり習わされた」と感じ、反抗するでしょう。

いちばん大事なのは習い事をする本人の気持ちです。子どもに対する心配や期待が先行すると、子どもの気持ちを無視した言動となり、子どもにとっても親にとってもイライラしてしまいます。

間違えを指摘する以外はなるべく子どもの意見を尊重し、親として応援することが子育てのコツと言えるでしょう。

3.アンガーマネジメントの考え方を学ぶ

ヨガ
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アンガーマネジメント(Anger management)とはその名の通り、怒りのセルフコントロールのことを指します。自身に怒りの感情が少しでも芽生えそうになったら、以下のような行動を取ることで瞬時に怒りを抑制する効果が望めます。

  • ・その場で6秒数える
  • ・怒りを感じる現場から物理的に距離を取る
  • ・幸せに感じた時の記憶を思い出す(ポジティブ・メモリーズ)
  • ・深呼吸をする
  • ・料理を作る
  • (※一例です)

ある大学の実験によると、子育て中の4組の親に対しアンガーマネジメントを実践してもらったところ、自分に生じる怒りを冷静に観察できるようになり、イライラした感情を抑えられたという結果が出ています。

成長した子どもは自我を持っていますので、親の怒りには当然難色を示します。「まずはイライラしてしまう自分自身を見直す」といった意識を持つことができれば、子育てが更に楽しくなるでしょう。

家族でにこやかに過ごすために、少し意識を変えてみませんか?

家族団欒
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子育てでイライラしてしまう人は、少し意識を変えるだけでストレスから解放される可能性があります。

この記事で解説した内容だけでなく、「運動をする」「浴槽で大きな声を出す」など、自分に合った方法でスイッチを切り替えるようにしてみましょう。

Source:
松本守弘,柴山謙二
大学生の対人関係向上のためのアンガー・マネジメント

著者情報

SELF

北里大学医療衛生学部出身の医療系ライターを筆頭に、精神衛生やメンタルケアに特化した記事を得意とする。学術論文に基づいた記事を多く手掛けている。

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