- 「仕事中なのに眠くて仕方ない」
- 「なんだか最近ずっと眠い」
そんなときあなたならどうしますか?
頰をつねってみたり、眠気覚ましのドリンクを飲んでみたり、眠気を覚ます方法は人それぞれだと思います。そういうときは、可能であれば無理に眠気を我慢するのではなく、思い切って仮眠をとってみることもオススメです。仮眠によってその後の生産性が向上することもわかっています。
しかし、やたらに仮眠をとればいいという訳ではありません。研究によると、仮眠のとりかたによっては悪影響をもたらすケースもあるそうです。
そこで今回は、生産性をあげる効果的な仮眠のとりかたについて解説します。
仮眠の大敵「睡眠慣性」を知ろう
お昼寝のあと、頭がぼーっとしたり、身体がだるくなったりした経験はありませんか? このような起床直後に眠気や疲労感を感じる現象が「睡眠慣性」です。
睡眠慣性は作業効率を低下させ、生活に悪影響を及ぼします。しかしこの睡眠慣性は、仮眠のとりかたによって抑えることが可能です。
つまりいい仮眠のとりかたとは、「いかに睡眠慣性を残さずスッキリと目覚められるか」にかかっているとも言えるでしょう。
睡眠慣性の残らない仮眠のポイント
1.仮眠のゴールデンタイムは20分まで!
一般的に眠りについてから30分程度でノンレム睡眠(深い睡眠)に達すると言われています。仮眠にノンレム睡眠が含まれていると、睡眠慣性が強くなると言われています。さらに、日中にノンレム睡眠を含む仮眠をとってしまうと、夜間の睡眠で得られるノンレム睡眠の量が少なくなってしまうこともわかっています。
せっかく仮眠をとったのに、そのせいで夜の眠りが浅くなってしまい、結局次の日もまた日中に眠くなる…こんな悪循環を避けるためにも、仮眠は長くとも20分以内を厳守しましょう。
2.仮眠する前にコーヒーを飲む
仮眠前にコーヒーを飲んでおくことで睡眠慣性が低減され、作業効率がアップすることがわかっています。
その秘密は、カフェインの効果が現れるまでの時間にあります。カフェインは摂取してから効果が現れるまでに15分〜30分かかるのです。
20分の仮眠をとる場合には、寝る前にコーヒーを飲んでおくと、ちょうど目覚める頃にカフェインの覚醒作用が働き、シャキッと目覚めることができるということです。
3.アラームを使わない自己覚醒が大事
最後のポイントは、人によっては少し難易度が高めかも…その名も「自己覚醒」です。
自己覚醒とは、アラームなどを使わずにあらかじめ決めた時間に起きる方法のこと。短時間の仮眠では、自己覚醒による目覚めが睡眠慣性を抑制することが明らかになっています。
さらに研究によると、自己覚醒だと予定よりも早く目覚める傾向があることがわかっています。自己覚醒で目覚めると、より短い時間で効果的な仮眠をとれるということですね。
仮眠はあくまで応急処置
効果的な仮眠のとりかたについてご紹介しましたが、いかがでしたか?
最後に大切なことですが、仮眠という方法はあくまで一時的な対処法です。時間が短いため、睡眠の代わりになるものではありません。根本的な睡眠不足を解消するためには、やはり夜間の睡眠の充足が欠かせません。
眠くて仕方ない時でも、仮眠によって効率的に仕事が片付いたらその分早めに帰宅しましょう。そして、十分な睡眠をとれるよう心がけることが大切です。
また、睡眠不足はメンタルヘルスにとって大きな弊害となります。今はスマホアプリでメンタルヘルスをケアできる時代です。AIロボと会話しながら心を落ち着かせ、感情を記録することで自身を客観的に見ることができるので、よかったら「AIカウンセリング」を試してみてください。
→ SELF MIND
Source:
甲斐田 幸佐、入戸野 宏、林 光緒、堀 忠雄
「自己覚醒法による短時間仮眠後の睡眠慣性抑制効果」(生理心理学と精神生理学 19 巻 (2001) 1 号)
林 光緒、堀 忠雄
「午後の眠気対策としての短時間仮眠」(生理心理学と精神生理学25 巻 (2007) 1 号)