「上司のパワハラがつらい…」
「どうしたらパワハラ上司と上手くやれるのか知りたい…」
「パワハラ上司から逃げるための転職はしたくない…」

職場で起きるパワハラは、度々社会的に問題視されているものの無くなることはなく、今もその苦しみに悩んでいる人が少なくありません。
パワハラは特に上司部下の関係性にて生じることが多く、どんなに嫌だと思っていても、自分のキャリアを考えてしまい、耐え忍んでいるケースも見られます。
そういったストレスを溜め込んでしまうことで、メンタルを傷つけ、仕事ができない精神状態になってしまうこともあります。
この記事では、パワハラ上司の特徴と対策方法について解説します。

パワハラ上司の特徴

会議室で話し合う男女
出典:Unsplash.com

厚生労働省が発表しているパワハラ6類型は以下の通りです。
・精神的な攻撃
・身体的な攻撃
・過大な要求(能力に見合わない程の煩雑な業務を指示する)
・過小な要求(能力に見合わない程の簡単な業務を指示する)
・人間関係からの切り離し
・個の侵害
この6類型を元に、パワハラ上司の特徴について解説します。

上司が「指導」だと思って接している

類型:精神的な攻撃・身体的な攻撃・過大な要求

パワハラ上司と聞いてまず思いつくのが、「ミスに対して激しく叱責をする姿」ではないでしょうか?
強く叱りたいと常に思っている人は少ないはずですので、上司は無自覚にパワハラ言動を行っていると考えられます。
潜在的に染み込んでいる無自覚と、上司という立場を掛け合わせると、「上司が指導だと思っている言動がパワハラになっている」と言えるでしょう。

同じく、上司が指導の一環として部下に少し難しい仕事を与え成長させたいと思っていても、部下からは「自分では処理しきれないような過大な要求を押し付けられている」と感じ、パワハラとして受け取られることもあります。

部下を見る能力に乏しく、その自覚がない

類型:過大な要求・過小な要求

新人にまだ教えていない業務を依頼したり、仕事をある程度こなせる中堅社員に掃除や書類整理などの雑務を指示するのも、一種のパワハラに該当します。

上司と部下で合意した上で仕事を割り振っているのであれば問題ありませんが、上司から一方的に本人の能力に対し過小・過大な仕事を要求しているのは、部下の能力をしっかり理解できていないからとも考えられます。

もちろん、部下の能力を把握した上でわざと見合わない仕事を押し付けている場合もありますが、総じてこのようなパワハラが生じてしまうのは、「プレイヤーとしては優秀だとしても、マネジメントとしての能力が低い」ことが一つの原因です。

元々デリカシーのない人間性である

類型:精神的な攻撃・人間関係からの切り離し・個の侵害

パワハラはメンタルを傷つけるような言動も該当します。

「お前はダメなやつだ」と直接言われたり、意図的に特定の人物以外と飲み会に行ったり、嫌がっている相手に対し執拗にプライバシーに関する質問をしたりするなど、「相手がどう思うか」を考えずに行動するようなデリカシーのなさがパワハラを招きます。

こういった特徴を持つ場合、上司のそもそもの人間性に問題があるため、パワハラから解放されるためには、適切な人物に対して相談をするといった行動が必要になります。

明日から使えるパワハラ上司への対策方法

座って話している男性
出典:Unsplash

厚生労働省のデータによると、パワハラに対して何もしなかった理由として最も多いのが「何をしても解決にならないと思ったから」となっています。

つまり、パワハラを受けても何か行動に移している人は少ないのです。

何もしない場合、上司か自分が異動するまでパワハラが続き、メンタルが落ち込み続けてしまいかねませんので、次のような対策方法を取るように心がけてみてください。

1.上司にはっきりと意思を伝える

上述した通り、パワハラが上司の無意識・無自覚のうちに行われていることが少なくありませんので、自分の意思をはっきりと伝えるのが大切です。

「そういった言動は辞めてほしい」「私にもっと適正量の仕事をさせてほしい」と、具体的にパワハラだと感じている部分を話すことで、上司の行動の改善を見込めます。

また、同じ上司が複数人にパワハラを行っていることもありますので、自分と同じようにパワハラに悩んでいる他の人も救うことが可能です。

2.いつ、誰に、どんなパワハラを受けたかを記録しておく

ノートに書く
出典:Unsplash

パワハラが原因で心的外傷後ストレス障害(PTSD)などのメンタルの病気に罹ってしまった場合は、その相手を訴えることができます。

裁判で大切なのが「本当にパワハラがあったのか」を客観的に証明できることになりますので、日常的にパワハラの記録をしておきましょう。

記録はICレコーダーによる音声が最も望ましいですが、叱責を受けている時にレコーダーを操作するのは現実的ではありませんので、ノートやスマホに記録しておくことをおすすめします。

記録する際は、次のような項目を盛り込むことで、より状況説明の具体性が増します。
・日時
・会議室内などの細かい場所
・その時に一緒にいた人の名前
・具体的にどのようなパワハラを受けたのかをできる限り詳細に記載(会話内容もできる限り記載する)
・そのパワハラを受けて自分はどのような感情になったか

ちなみに、記録に関しては事実に関しては客観的に記載し、推測を無闇に入れないようにすることで、より証拠としての信憑性が増します。

3.他部署の社員に相談したり社内の報告制度を使う

1で挙げた上司に直接話すのはどうしても心理的にできないという場合は、他部署の社員に相談することや、社内のパワハラ相談窓口に報告するのがおすすめです。

ある大学の論文では、自己効力感が高い人ほど自分で問題を解決しようとする傾向にあり、積極的に誰かに相談することはしていないと報告されています。

他部署の社員や会社のパワハラ相談窓口に相談することで、すぐに問題が解決することはなくても、確実に人事異動や処分といった状況改善が望めます。

パワハラ問題に大切なのは、「今、一歩を踏み出す勇気」なのです。

4.パワハラ上司の尊敬できる点を探してみる

テーブルに座って話している2人の女性
出典:Unsplash

パワハラ上司との問題を解決する別視点の方法として、「パワハラ上司に歩みよる」ことも有効と考えられます。
厚生労働省の実態調査報告書において、パワハラ相談があった職場で最も多かったのが「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」でした。
つまり、上司と部下間の信頼関係の欠如が、パワハラを生じさせていると言えます。

逆に考えると、「上司を信頼できればパワハラが減る」とも考えられます。
そのために有効なのが、上司の尊敬できる点を探してみることです。

一度人の苦手な面を見てしまうと、そればかりに注目してしまいがちですが、上司になっているということは、会社に評価される点があるということの裏返しですので、魅力的な部分もあるはずです。
パワハラ上司の尊敬できる点を探してみることで、今まで受けていたパワハラの真の意図が分かり、信頼関係を構築できることもあります。

同じ言動でも、信頼している相手かそうでないかによって受け取り方が180度変わります。
もし上司のことを好きになれれば、「パワハラを感じない職場」にすることもできるでしょう。

5.外部の相談機関に相談してみる

会社にパワハラ相談窓口がない場合は、外部の相談機関に相談してみてください。
例えば厚生労働省が委託しているハラスメント悩み相談室では、パワハラ・セクハラ・マタハラといった各種ハラスメントに対し、電話やメールで相談できる無料のサービスを提供しています。
相談することで、気分が落ち着くだけでなく、パワハラを解決するための抜本的なアドバイスを受けられる可能性があります。

人に相談するのは気が引けるという場合は、AIに相談してみるのも手の一つです。
SELF MINDでは、独自開発したAIによるメンタルカウンセリングをいつでもどこでも受けられますので、パワハラによって傷ついたメンタルヘルスケアが今すぐに可能です。
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パワハラに耐えても何も得られない。気持ちよく働くためにも一歩踏み出そう

笑顔の職場
出典:Unsplash

日本には「耐え忍ぶ」ということを美学と捉える価値観がありますが、パワハラに耐えても何も得ることはできません。
むしろ、メンタルを傷つけ、働けなくなることすらあり得ます。
パワハラ上司に悩んでいる人は、この記事で紹介した方法を明日から試すことで、仕事と真っ直ぐに向き合えるようになればと思います。

Source:
原昌登
パワハラ防止措置の法制化の意義
関根彩夏,長沼裕介
職場でのパワハラ被害に関する相談行動の抑制要因

著者情報

SELF

北里大学医療衛生学部出身の医療系ライターを筆頭に、精神衛生やメンタルケアに特化した記事を得意とする。学術論文に基づいた記事を多く手掛けている。

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