「他の人よりも細かいことに気づきやすく、疲れてしまう…」
「環境の変化があると、必要以上に緊張してしまう…」
「人からよく感受性が豊かだと言われる」

周りの人の感情の変化に影響されやすかったり、細かなことに気づきやすいと感じた経験はありませんか?
ストレスの感じやすさの性質を表すものとして、「HSP」があります。
HSPとは、「Highly Sensitive Person」の頭文字を取って名付けられていて、「人よりも刺激を受けやすい」、「環境や物事について敏感に反応してしまう」といった人を指します。
この記事では、HSPの症状や、その克服法・対処法について解説します。

HSPの症状とは?

孤独に一人

上述したとおり、HSPの方は人よりも常に感度が高い状態になりますので、精神的な苦痛を受けることが多くなってしまいます。
症状を細分化すると、非常に多くの特性が挙げられますが、ここでは代表的なものを3つに絞って紹介します。

1.心が傷つきやすい

心の丈夫さは人によって異なります。
例えば仕事やスポーツで何かミスをしてしまった時、「次は取り戻そう」と前向きな感情で切り替えられる人もいれば、自分の悪かった点を引きずってしまう方もいます。
HSPの方は後者の感情になりやすいため、心が傷つきやすいという症状が見られます。

また、敏感な心理思考をしているため、他人のことを傷つけるような行為・思考をせず、「問題は常に自分にある」といった自己否定的な考え方をしてしまいがちです。
いわゆる自分に自信が無いネガティブな性格と捉えられてしまうため、周囲の人物から冷たい対応を取られてしまうことも少なくなく、更に心を傷つけてしまうといった負の循環に陥ってしまうこともあります。

2.周りの状況を必要以上に察知してしまう

HSPの方は物事を繊細に捉えることに長けていますので、人の発言の背景や意図を読み取ったり、少ない情報から多くを想像するという特徴があります。周りの状況を深く察知しやすいため、頭や心が疲れやすくなってしまいます。

加えて、必要以上に周囲の状況を考えてしまうため、他人の感情の変化に影響を受けてしまうことも多く、自分のメンタルが落ち込んでしまいやすいのも特徴です。

3.人やモノ、創作物に強く共感する

感受性が豊かというのもHSPの特徴の1つです。
友人や家族との会話に共感し、自分の意見を迎合させることも少なくありません。
また、映画や漫画といった創作物に強く感情移入をすることもあります。

HSPを対処・克服するために

様々な人が生きる

まず理解する必要があるのは、「HSPは病気ではない」ということです。
あくまでも「人よりも感受性が豊かである」という個性になりますので、自分がHSPに該当するからといって、他人よりも劣っているということは決してありません。
その事実を改めてお伝えした上で、HSPの方が日々の生活を楽にできるような考え方を紹介します。

自分を責めすぎない

上述した症状の通り、HSPの方は周りで良くないことが起きた時、自分が悪いと強く思い込んでしまいます。
自分を必要以上に責めすぎずに、物事に向き合うという姿勢が大切です。

一方、HSPは後天的なものではなく、先天的な生まれ持った性質になりますので、いきなり物事への考え方を変えると言っても難しいかもしれません。
そのような時は、何も考えない時間を意図的に作ったり、HSPの性質について正しく理解することで、メンタルを健康に保つことに繋がると考えられます。

適度に自分一人の時間を持つ

HSPは、意識をしていなくても周囲の人間関係や雑音から、あらゆる思考を巡らせてしまい、結果としてメンタルが落ち込んでしまいます。
このようにメンタルが落ち込んでしまうことを避けるためには、適度に自分一人の時間を持つことが有効です。

例えば家の中でも、テレビが流れているようなリビングではなく、落ち着いて時間を過ごせるような一人部屋でゆっくりするようにした方が良いでしょう。
いつも家が賑やかという方であれば、外音をシャットアウトできるノイズキャンセリングの機能を持ったヘッドホン・イヤホンを用いることで、一人だけの時間を作り出すことができます。

元々HSPの方は集中力が高く、物事を深く考えることが得意です。
一人の時間を作ることにより、外的要因によって生じるメンタルの浮き沈みを防げるだけでなく、一層集中して仕事や勉強などの作業に取り組めるでしょう。

HSPのことを正しく理解する

HSPは生まれ持った性質になるため、効果的な治療方法は存在しません。
そのため、HSPという性質をしっかり理解をして、向き合いつつ過ごすことで、うまく共存しながら生活をしていけるでしょう。

例えば、人より変わった感受性をしていることを他人に指摘され、メンタルが落ち込んでしまっていたとしても、「HSPは病気ではなく個性であり、他人よりも優れているところもある。」というHSPの知識があれば、乗り越えられるかもしれません。

このように、HSPの特徴を正しく理解することで、今まで耐えられなかったようなことでも自分なりに咀嚼でき、対処することができます。

自分のスピードでゆっくりHSPと向き合いましょう

HSPの方は、他人からすると、「メンタルを傷つけやすい」、「ネガティブな思考で取っつきづらい」といった印象を持たれてしまいやすいですが、「相手のことを親身になって助けたり、物事の裏の裏まで思考できる」といった長所もあります。
そのため、自分がHSPであったとしても、それを個性として受け入れ、共存していくことが大切になります。

ゆっくりで構いません。
自分の個性と向き合って、心も身体も健康に過ごして下さい。

Image:Unsplash
Source:
平野真理
心理的敏感さに対するレジリエンスの緩衝効果の検討ーもともとの「弱さ」を後天的に補えるかー

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著者情報

SELF

北里大学医療衛生学部出身の医療系ライターを筆頭に、精神衛生やメンタルケアに特化した記事を得意とする。学術論文に基づいた記事を多く手掛けている。

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