• 「良かったことを3つ思い出してください」

そう言われたら、あなたはすぐに思い出せますか?

日々の暮らしの中で、誰もがストレスを抱えているのではないでしょうか。メンタルヘルスにおいて、ストレスは溜めずに発散するのが鉄則です。ストレスにより引き起こされる心身への不調は、いずれあなたの未来に暗い影を落とすことにもなりかねません。

そこで今回は、科学的にもメンタルヘルスへの効果が実証されている「スリー・グッド・シングス」というストレス解消法を紹介します。

簡単!ポジティブなことを3つ書くだけ

赤い日記帳
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スリー・グッド・シングスは、ビジネスや自己啓発の分野で有名な三行日記感謝日記と共通したアプローチを持つテクニックです。その方法は極めてシンプル。

  • 寝る前に、今日のポジティブな出来事を3つ書き出す

たったこれだけです。
書き出す内容は、自分自身がポジティブになれる内容であれば何でもかまいません。「家族の機嫌がよかった」や「朝気持ちよく起きられた」など、日常の中の些細な出来事でよいのです。

カリフォルニア大学が行った実験によると、たったこれだけの習慣を10週続けたことで、被験者は25%もストレスに強くなったという結果が出ています。

スリー・グッド・シングスには、以下のような効果が期待できます。

  • ポジティブな出来事を振り返ることで、幸福感が高まる
  • 良いことを積極的に見つけるようになり、物事を前向きに捉えられるようになる
  • 寝る前に決まった習慣を持つことで、カラダが自然と入眠状態に入りやすくなる
日記
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ただし、最も効果のある頻度については毎日続けた方がいいという意見がある一方、週に一度の方が効果が高いという説も存在しており、専門家の間でも意見が分かれるところとなっています。

また、メジャーな手法であるために、様々な見地から数多くの研究が行われており、幸福度に及ぼす影響はごくわずかという専門家もいます。数々のビジネス書や自己啓発書などで推奨されている方法だからといって、魔法のような素晴らしい効果は期待しない方が良いかもしれません。

とはいえ、スリー・グッド・シングスが様々な効果が期待できる手軽なストレスケアの手法であることには違いありません。時間や費用がかかる方法でもないので、まずは自分が続けやすい頻度で、気楽に試してみてはいかがでしょう。

スリー・グッド・シングスでポジティブに

幸せそうに笑う女性
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世の中には、ストレスを抱え鬱屈とした気分で過ごす人がいる一方、何事にも前向きで、はたから見てもわかるほど幸福感に溢れた人もいます。前者と後者の間にはいったいどのような違いがあるのでしょう?

もちろん、性格や生活環境、立場による違いもあるでしょうが、もしかしたら、幸福感の高い人はポジティブな出来事を見つけるのが得意な人なのかもしれません。

幸せそうに笑う子供
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多くの人は、どうしてもネガティブな出来事の方が強く印象に残り、何度も思い出してしまうことで、ついつい思考までネガティブな方向に偏ってしまいます。そんなネガティブ思考を抑制し、物事を前向きに捉えるにはポジティブな出来事に目を向けようという意識を持つことが重要になるのです。

スリー・グッド・シングスは、ポジティブな出来事に意識を向ける訓練になり、これを習慣とすることができれば、常に物事を前向きに捉えられるストレスに強いメンタルを手に入れることができるかもしれません。

簡単にできるストレスケア方法を持とう

ポジティブ
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自身の幸福感やストレス耐性を高める効果が期待できるスリー・グッド・シングス。日々のストレスに負けない強いメンタルを手に入れたい方は、試してみてはいかがでしょう。

また、今はスマホアプリでメンタルヘルスをケアできる時代です。AIロボと会話しながら心を落ち着かせ、感情を記録することで自身を客観的に見ることができます。ぜひ一度「AIカウンセリング」を試してみてください。
SELF MIND

笑顔が書かれた色とりどりの風船
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スリー・グッド・シングス以外にも、手軽にストレスをケアしたり、ストレス耐性を高めるためのテクニックは他にもたくさんあります。

自分に合う方法を事前に知っておき、日々の生活に取り入れることが、健全で快適な生活を過ごすカギとなるはずです。

Source:

Jeffrey J. Froh , William J. Sefick , Robert A. Emmons
Counting blessings in early adolescents: An experimental study of gratitude and subjective well-being」(Nat Hum Behav. 2017 May; 1(5): 0093)

著者情報

SELF

北里大学医療衛生学部出身の医療系ライターを筆頭に、精神衛生やメンタルケアに特化した記事を得意とする。学術論文に基づいた記事を多く手掛けている。

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