生活習慣病と精神障害…密接に絡み合ったこれらの解決策とは

薬

日常のストレスから、どか食いをしてしまう。
なんとなく口寂しくて、気づいたらタバコを吸っている。
妙に塞ぎ込んでしまうので、お酒を毎日大量に飲んでしまう。

こういった、不健康な生活習慣が引き金となることも多い4大疾病、「ガン」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」。
2011年、ここに「精神疾患」が加わり、5大疾病と呼ばれるようになりました。

実は、精神疾患は生活習慣病から切り離された別個の存在ではなく、他4つの病気と同時に生じることも多いのです。

精神障害が原因で生活様式が変わってしまい、生活習慣病になってしまう。逆に、生活習慣病により精神にも影響が出てしまい、結果的に精神障害になってしまう。

ニワトリが先か、タマゴが先か…ケースはそれぞれですが、生活習慣病と精神障害は非常に密接な関わりがあるのです。

生活習慣と関わる、色々な精神障害

下記の精神障害は一例ですが、生活習慣病と強く関わる心の不調はたくさんあります。

1.うつ病

抑うつ状態になり、あらゆる意欲が著しく減衰してしまううつ病。

因子の遺伝や、個々人の性格などが原因となって生じると考えられることが多いですが、病気が原因となって引き起こされることもあります。心疾患や喘息、高血圧や頭痛…日常の中で困難が生じたり、不快な症状が現れることで、うつ病の発症リスクが約1.5倍〜2倍まで引き上げられてしまうという研究結果が発表されています。

2.パニック障害

うつ病と併発することの多い精神障害です。

意図しないタイミングで突然、動悸や強い不安を伴う発作が起き、いつ発作が起きるかも分からないという恐怖を抱える「予期不安」や、それが起きた時にすぐに逃げられない状況にいることに多大な苦痛を感じる「広場恐怖」などが生じます。これによって、生活に大きな支障が出る場合もあります。

生活習慣として、残業などをこなしている時の眠気防止にカフェインを大量摂取することは発作の頻発に繋がるようです。働き盛りの年齢層によく見られる障害だと言われています。

3.睡眠障害

精神障害の治療に必要なのが、十分な休養。睡眠はその中でも大きなウェイトを占める行動です。

多くの病気の予兆として睡眠障害が生じることも多いので、「眠れない」という状況は体に潜む病気に気づく重要なサインです。

4.認知症

高齢者に見られる症状だと思われがちな認知症ですが、65歳以下の人にも見られることがあります。 脳梗塞などをトリガーに発症することも多く、それらを引き起こすのは、不規則な生活が一因となっていることも。

生活習慣から見る精神障害

では逆に、生活習慣病の側から精神障害との関連性を見ていきましょう。

1.糖尿病

糖尿病患者のうちの1割は大うつ病を、3割はその他のうつ症状を呈していることが判明しています。

糖尿病になった患者は、まず精神的に動揺し、健康を失ったことへの大きなショックを感じます。治療は長期に渡り、生活習慣の是正や、会社を休むことによる経済的な負担が生じる点、家族へ負担をかけていることについてなど、色々な要因が、糖尿病になった人の心を蝕みます。

2.肥満

肥満から引き起こされる病気が数多くあることは有名です。

精神障害から生じる意欲の低下から、過眠や過食が起き、体重が増加していくことも。また、処方される薬の影響を受ける場合もあります。

3.高血圧

精神障害に罹患すると、ストレス耐性が下がり、飲酒や喫煙、カフェインの摂取を行いがちになります。その結果、これらを介して血圧が高くなってしまうことも多いようです。

解決の糸口は?

これらの、密接に絡み合った生活習慣病と精神障害ですが、どちらも防ぐためにまず必要なのが、生活習慣を整えること。

病気に繋がる習慣の中でも、とりわけ関連が強いのは、喫煙習慣と飲酒習慣だと言われています。まずは、この2つの習慣にしっかりと目を向け、依存している場合には、その鎖を断ち切っていくことが肝心です。

また、適度な運動、色々な食材をバランスよく食べる、自然と触れ合う、いい人間関係を築く…など、一般的に「健康にいい」と言われるようなことは、生活習慣病にも、精神障害にもバッチリ効果があるようです。「よく言われる割に本当に効くのか分からない」「めんどくさい」「毎日の生活の中でそれどころじゃない…」と考えがちですが、生活の中に積極的に取り入れていきたいものです。

病気が病気を呼ぶ状態になってしまっては辛いもの。まずはちょっとしたウォーキングをしてみる、今日はちょっと飲酒を控えてみる…。健康な生活を志すことに、遅すぎるということはありません。

意識したその瞬間が、健康なライフスタイルの始めどきです。


Image:Unsplash
Source:
生活習慣病とメンタルヘルス(忽滑谷和孝。日職災医誌,62:316─321,2014)