大量のメール

あなたも今すぐメンタルケア!「メール・リストリクション」とは

あなたも今すぐメンタルケア!「メール・リストリクション」とは

みなさんは、どれくらいの頻度でメールチェックをしていますか?

仕事で必要だったり、プライベートでの使用だったりで、返信をしっかりできるようにメールボックスを頻繁にチェックする方は多いのではないでしょうか。しかし、莫大な情報が交わされる今、メールボックスに入ってくるメールの数が増えるごとにプレッシャーを感じる人が多いのも現実です。

毎日、何気なくするメールチェックは私たちのメンタルにどのような影響を及ぼすのでしょうか?また、メールとどのような関係性を保つことがメンタルに良いとされるのでしょうか?

メール通知

現代におけるメール疲れ

2020年現在、たった1日で、およそ3064億通ものメールが世界中でやり取りされるそうです。そして、この1日のメール数は年々、増加している傾向にあります。アメリカのエディソン・ソフトウェア社の調査によると、全米の74%はEメールに対して精神的にプレッシャーを感じているそうです。また、33%の人が大量のメールが来ることに対してストレスを感じているという結果が出ています。

メールマーケティングの英単語で「メール・ファティーグ(メール疲れ)」という言葉があります。これは、毎日のように配信されるデジタルサービスのメルマガやリプライ、DMなどに辟易して反応しなくなったり、メールを避けるようになることを指して使われています。こういう言葉が登場するという事実が、いわゆる「メール疲れ」を体験する人がいかに多いかを物語っているのではないでしょうか。

メール疲れを対処する方法として多いのが、メールボックスを細かく管理したり、時間をかけてメールを削除したりというような作業なのです。

メールチェックがメンタルに及ぼす影響

2014年、ブリティッシュコロンビア大学で、124名の大人を対象に「メールチェックの頻度」がメンタルにどのような影響を及ぼすのかが研究されました。被験者たちのメールチェックが、最初の1週間は1日3度までに制限され、次の2週目は特に制限なく好きなだけしてもいいというふうに設定されました。

結果として、メールを1日3度に制限した方が
・ストレスの軽減
・緊張の緩和
・メールのお知らせが来ても集中力が散漫にならない傾向

が、見受けられました。
また、ストレスが緩和されることによって

・全体的なメンタル
・マインドフルネス思考
・生産性
・睡眠の質

において良い影響が出たことがわかっています。

しかし、私たちは現代社会における様々なプレッシャーからメールチェックせざるを得ない状況にあります。

仕事関係のメールチェックの場合はどうでしょう?2017年にJobvite社が実施したアンケート結果によると、全米の平均45%の人が職場環境上、毎日の仕事が終わったあとも仕事メールをチェックしなくてはならない状況にあると答えました。別の2018年の研究では、勤務時間外のメールチェックは、本人のメンタルや健康に大きな害を及ぼすだけでなく、配偶者や家族にまで悪影響があることがわかっています。実際に仕事をしなくても、「いざとなったら勤務時間外も対応できるようにしておくように」という会社の期待があるだけでストレスが向上し、家族間でのイライラや喧嘩が増えてしまうようです。

人は、気が散ると集中が戻るまで平均で23分15秒かかるそうです。
そう考えると、メールチェックをすればするほどマルチタスクのスキルが必要となり、集中力も散漫になってしまいます。いつもメールチェックをしているようであれば、集中できる時間が減るだけでなく、集中し直す時間も増えていくということを気に留めておくといいかもしれません。

頻繁なメールチェックはストレスを増加させる要因

「メールリストリクション」のやり方

「メールリストリクション」とは、直訳すると「メールを制限する」という意味になります。ここで、健全にメールと距離をはかる方法をいくつかご紹介します。

毎日メールと向き合う時間を決める

メールをどれだけ優先して、どれだけ時間を費やすかは人それぞれです。

メールリストリクションをする1つの方法として、1日に何回メールをチェックするのか制限を設けるといいでしょう。例えば、メールチェックと応答する時間を朝、昼、夕方というように「1日3回だけ」と決める。具体的にスケジュールに組み込んで、朝9時、昼12時、夕方5時のように時間を決めるのも効果的です。

それだと自分のニーズには合わないという方は、毎日どれだけメールに時間をさく必要があるのか自己査定してみましょう。職場、通勤の電車やバスの車内、お店で並んで待っている時間、これらの間もメールチェックしていませんか?こういう小さいスキマ時間のチェックを全て決められた時間枠にまとめることで、「今」をより充実させて過ごすことができます。

メールに必要な時間が自己査定できたら、それに合わせてメールチェックする時間枠をスケジュールに割り当てましょう。1日を通してサッと簡単にメールチェックする時間枠(5〜10分以内)をいくつか設け、緊急を要するメールなどに対応できるようにします。それとは別でまとまった時間枠を作り、きちんと時間をかけて対応ができる時間も設けましょう。

決められた時間以外はパソコンのメールタブを閉じて、電話の通知をオフにできればより効果的です。

メール管理を見直す

たくさんメールがくると、管理と対応だけでプレッシャーを感じてしまいます。

メールチェックにかける時間でなく、メールの管理やワークフローがストレスの起因となっている場合もあります。インターネットなどで検索し、メール管理が効率的にできるツールを調べて活用してみるのもいいでしょう。ツールを使って、入ってくるメールを上手に自動フィルターできるシステムを設定すれば、「メールボックスをみて圧倒されてしまう」ということが回避できます。

もう1つスッキリできる方法は、メルマガなどの配信停止をしてしまうことです。メルマガの頻度設定を変えてみたり、SNSの通知がメールで来る場合はそれを無くしてみましょう。ネットビジネスの時代なので、どの会社も巧みに私たちの気を引こうとしてきます。必要のない広告やノイズを制限していくことで、メールボックスの平和が少し取り戻せるかもしれません。

「メール休暇」をとる

メール休暇はメンタルのための休暇

リセットする時間も大事です。
もし絶え間ないメールの義務に追われて、メンタルに明らかな悪影響を及ぼしていると感じる場合は、思い切って「メール休暇」をとるのもいいかもしれません。海外では、週末や休暇、連休にかけて「メール休暇」をとるケースは多くあります。

上司や仕事仲間と事前に相談して、対応する必要のあるメールは休みに入る前に対応しておきましょう。メールの転送システムを利用して、仕事仲間にメールが自動転送されるように設定したり、「いつ返信できるか」を自動返信で伝えておくこともできます。計画性が求められる方法ですが、メール休暇をとることでさらにリフレッシュできる休みが過ごせるでしょう。


電子コミュニケーションが私たちの生活に浸透し、便利になる一方で、随時コミュニケーションを求められることは疲労に繋がります。メールリストリクションをすることで精神的に楽になりそうだと感じた方は、合わせて「SNSファスティング」もオススメします!

画像: Unsplash
ソース:

Becker, W. J., Belkin, L., & Tuskey, S. (2018). Killing me softly: Electronic communications monitoring and employee and spouse well-being. Academy of Management Proceedings2018(1), 12574. https://doi.org/10.5465/ambpp.2018.121
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