「あの人はどうして猫をかぶっているんだろう…」
「猫をかぶらずに話してもらうにはどうすればいいんだろう…」
“猫をかぶる”とは、自分の本性を隠しておとなしそうに見せたり、本当は知っていることを知らないふりをしたりする振る舞いのことを言います。
「本音を隠している人」という意味で使われることが多く、ポジティブな言葉としてはあまり使われません。
この記事では、人が猫をかぶる時の理由を5つのケースから考えてみます。
目次
人が猫をかぶるケース

猫をかぶるという言葉の定義はなされていますが、「これをしたら猫をかぶっている」といった項目があるわけではありません。
ここでは、猫をかぶっていると考えられる5つのケースとその理由についてそれぞれ見ていきます。
CASE1:相手に媚びて自分を有利な立場に置きたいから
猫をかぶることで、まるで猫のように相手に媚び、自分の望んだ状況を得ようとする人がいます。
例えば両親や交際相手に何か買ってもらいたいと考え、相手の気分が良くなるような言動を意識的に取ったり、他の人と明らかに異なる態度を取ることで気になる異性に好かれようとしたりなど、比較的多くの状況で見られるのが特徴です。
このケースだと、目的としていたことが完遂できた時に本性が現れます。
「付き合う前は優しくて面倒見が良かったのに、付き合ってからは性格が全く変わってしまった」という問題が生じてしまうのも珍しくありません。
CASE2:自分のことを知らない人に性格を隠したいから
人が猫をかぶるのは、自分の見られたくない本性を隠したいという理由が多いです。
新しい組織に入った時、まだ自分のことをよく知らない人に対し、自分の本性を隠すことで、「変な人だ」といった印象を持たれないように猫をかぶるのです。
一種の「自己防衛本能」とも考えられ、この場合は時間の経過と共に自然と素の性格が見えてきます。
CASE3:慎重に物事を進めていく性格だから
知っていることを何でも話してしまうと、時に思わぬトラブルを引き起こすことがあります。
そういったリスクを少しでも無くすために、あえて猫をかぶり物事から一歩身を引いて客観視しているケースも考えられます。
このケースでは、慎重な性格が猫をかぶる原因となっていますので、中々本音を聞き出すことが難しくなります。
「この人は信頼できる人間だ」「同じように客観視して物事を考えられる人だ」と認めてもらえれば、自ずとなんでも話し合える関係性になれるかもしれません。
CASE4:人に好かれたいと思っているから
人に好かれたいという思いが、猫をかぶる行動に繋がることもあります。
自分の本性が社交的でないものの、一人になってしまうことは寂しいので避けたいと考えている場合、ある種猫をかぶる形で建前のコミュニケーションを取るようになります。
意図的に性格とは異なる態度を取る関係で会話をしていても、違和感を感じることが多いかもしれません。
CASE5:過去に人間関係でトラブルがあったから
「本音で話していたら友人に告げ口をされて裏切られたことがある」、「賑やかな性格が原因で何度も破局してきた」など、過去に起きた人間関係のトラブルがトラウマ的に残っており、自然と猫をかぶる性格になってしまうこともあります。
人を心から信用できないと感じていますが、同時に建前ばかり話している現状を変えたいと思っていることもありますので、適度な距離感を心がけて接すると、徐々に本音を話してくれるようになるでしょう。
猫をかぶる人との付き合い方

意識的に猫をかぶっているのか否かで、適切な付き合い方が若干変わります。
猫をかぶらずに本音で話してもらいたいという場合には、次のような点に注意してコミュニケーションを取ってみてください。
・「太く短く」よりも、「細く長く」のコミュニケーションを取る
上述した5つのケースを見てみると、猫をかぶる人は長い時間を過ごすことで徐々に本音で話してくれるようになると考えられますが、いきなり長い時間コミュニケーションを取ろうとすると、逆に緊張が続いてしまいかねません。
猫をかぶる人とは、すぐに打ち解けるのは難しいと考えるべきです。
60分のランチに一回行くよりも、朝3分の挨拶を毎日行った方が、「この人は話しやすい人だ」と思われやすくなり、結果として本性をさらけ出してくれるようになるでしょう。
・執拗にコミュニケーションを強要しない

先ほどの内容とは矛盾してしまいますが、執拗にコミュニケーションを取りすぎてしまうと、相手に警戒されてしまう原因となってしまいます。
仲良くなろうと考えて行動に移すこと自体は好ましいのですが、「適切な距離感」を意識して行動しないと、更に猫をかぶってしまいかねませんので注意してください。
・自分の弱みをあえて見せる
弱さを隠すように猫をかぶっている人には、あえて自分の弱みをさらけ出してみるのも一つの手です。
心理学では、「共感性関心」というものがあります。
共感性関心とは、「不運な他者への同情や関心という他者思考の気持ち」と定義されており、相手の弱みを知ることで自分の弱みも出してしまうことに繋がります。
一度弱みを見せてしまえば、同じ相手に猫をかぶる必要が無くなりますので、本音で話してもらえるようになるのです。
ちなみに、これらの方法を使っても中々コミュニケーションが取れず悩んでしまう場合は、AIによるカウンセリングを受けてみてもいいかもしれません。
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猫をかぶる人とはゆっくり距離感を縮めていこう

猫をかぶる時は様々なケースが考えられますが、総じてすぐに解消できるものではありません。
本当の猫と触れ合う時のように、適度な距離感を取りながらゆっくりと近づいていくことで本音でコミュニケーションを取り合えるようになるでしょう。
Source:
澤田匡人
「本音と建前の天秤ー適応にまつわるパーソナリティ研究の動向ー」
登張真稲
「多次元的視点に基づく共感性研究の展望」