「1人で育児をこなさないといけなくて大変…」
「夫に育児を協力してもらいたいけどどうすればいいの…?」
「育児のしすぎでメンタルが落ち込んでしまう…」

はじめての育児では今までに経験したことがないような疲労が身体的にも精神的にもかかります。
夫婦2人で協力して育児を行うことができれば、互いの疲労を軽減できるだけでなく、自分の子どもが成長していく喜びを分かち合うことができるでしょう。

しかし実際に日本の家庭を見てみると、妻に育児の負担がかかりすぎていることが多く、社会問題として捉えられることもあります。

この記事では、そんな妻1人で行う育児、通称「ワンオペ育児」の問題点と解決策について解説します。

ワンオペ育児とは?

困る母
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ワンオペ育児の「ワンオペ」とは、「ワンオペレーション(1人での作業)」のことを指します。
つまり、ワンオペ育児とは夫婦どちらかのみが育児を行っている状態と定義付けられます。

現在日本では家事、及び育児の負担が妻に偏っていることが数値を見ても分かります。
“内閣府が発表しているデータ”を見てみると、「5歳未満児のいる夫婦の夫の育児時間」は、先進国の中でも日本が圧倒的に少ない“0.4時間”となっています。

加えて、男性の育児休暇取得率が少ないこともワンオペ育児を加速させている要因です。
厚生労働省による“平成30年度雇用均等等基本調査”では、女性の育児休業取得率が82.2%なのに対し、男性は6.16%に留まっています。

これらのことから、ワンオペ育児は特に女性に強いられており、男性には育児に参加できる時間的な余地があると考えられます。

ワンオペ育児の問題点

押しつぶされる母親
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ワンオペ育児は、育児の状況を逐一把握できるというメリットはありますが、それよりも心身に大きな負担がかかるデメリットの方が大きく、望ましいものではありません。
ワンオペ育児が生み出す問題点には、次のようなものが挙げられます。

問題点1:職場復帰になかなか踏み切れない

ある程度手がかからない年齢まで育児休暇を取ってから、職場復帰してキャリアをリスタートさせたいと思っていても、ワンオペ育児中の子どもへの不安や協力してくれない夫への不満がちらつき、職場復帰に踏み切りづらくなります。

それだけでなく、「育児だけで忙しいのにこれに仕事が加わるのは考えられない」と感じ、職場復帰を諦めてしまうケースもあります。

問題点2:頼れる人が身近にいないのでメンタルがつらい

1人で育児
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専業主婦としてワンオペ育児で子供と向き合っている場合、メンタルが落ち込んでしまいがちです。
夫が仕事から帰ってきても、育児を手伝ってもらえなければ、結局誰にも頼れずにつらい気持ちを抱え込み続けなければなりません。

また、1日の大半を家の中で過ごすことになりますので、社会との繋がりが薄まり、より孤独を感じてしまう場合もあります。
ストレスを感じた時は、誰かと話すことでそのストレスの軽減が見込めますが、ワンオペ育児をしていると、誰かと話すこと自体が難しいかもしれません。

問題点3:夫との不平等さを感じる

「家事しかやってない妻よりも稼いでいる自分の方が偉い」と考えている夫は残念ながら少なくありません。
主婦の仕事は育児、家事ということになりますが、直接賃金が発生するものではありませんので、夫の考え方によっては夫婦で不平等だと感じる場合があります。

ワンオペ育児という心身共に強い負担を強いられるにも関わらず、その頑張りが認められない・報われないと感じ、メンタルを更に落ち込ませてしまうこともあるでしょう。

ワンオペ育児の負担を軽減するためには?

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ワンオペ育児の問題点を解決するために一番有効なのは、夫に積極的に育児に参加してもらうことです。

しかし、夫が育児休暇を取ったり、「育児は妻がやるものだ」という認識が根強い場合、育児の積極的な参加はなかなか難しいかもしれません。
夫の育児協力が得られない場合でも、次のようなことを行うとワンオペ育児の負担を減らすことは可能です。

1:実家の身内に協力してもらう

身体的負担に比例して精神的な負担も増えますので、まずは身体的負担を減らすことが重要です。
ワンオペ育児が身体的に大変なのは、育児を1人でこなさなければならないからです。
それを解決するために、実家が近い場合には実家の身内の協力を仰ぐことが有効になります。

身内に育児を手伝ってもらう場合は、育児の全てを行ってもらうというよりも、1時間だけなど、時間を限定して協力を依頼した方が引き受けてもらいやすいです。
育児を引き受けてもらっている間に、病院や美容室に行ったり、リフレッシュするために友人とカフェに行ったりすることで、ワンオペ育児に感じていたストレスを軽減できます。

育児を引き受ける身内も、自分の血の繋がった子どもの成長を見ることができるため、比較的前向きに協力をしてもらえるでしょう。

2:お金を使って育児の一部を代行してもらう

実家が遠い・実家と疎遠などの理由で協力を得るのが難しい場合は、有料のケースがほとんどですが、地域の子育てサービスを受けるのもおすすめです。

例えば渋谷区の“子ども家庭支援センター”では、1時間1,000円で育児支援ヘルパーを派遣してもらう「にこにこママ」という制度や、子ども版のショートステイなど、育児の一部を代行するサービスを提供しています。

地方自治体が提供しているサービスだと、比較的料金も安価となっていますので、夫の了承も得やすいというのもメリットです。
まずはお試しで1、2時間だけ利用してみるのもいいかもしれません。

3:無料の子育て相談窓口に電話して相談する

ワンオペ育児をしていると、分からないことがあっても気軽に相談できず、精神的に負担を感じてしまうかもしれません。
そのような悩みがある時は、無料の子育て相談窓口に電話で相談してみましょう。

インターネットで「(自分の住んでいる都道府県)+子育て+電話相談」と検索すると、悩みに応じたフリーダイヤルの番号が出てきますので、今抱えている悩みを全て吐き出してください。

悩みを話すことで、気分がスッキリするだけでなく、育児のノウハウを学べるため、今までかかっていた育児の時間を減らせる可能性もあります。

また、電話だと緊張してしまって話せないという人であれば、カウンセリングアプリを使うのもおすすめです。
SELF MINDでは、独自開発したAIによるメンタルカウンセリングをいつでもどこでもスマホから受けられます。
ワンオペ育児で時間がないという人でも、スキマ時間でメンタルヘルスケアが可能ですので、気になる人は以下のリンクからチェックしてください。
SELF MINDストアページ

母親はあなただけ、だからこそ抱え込む前に

ワンオペ育児は多くの負担がかかるものの、現在の日本においてはどうしても解決が難しい問題となっています。
「母親である自分が頑張らないといけない」と責任感を強く持ちすぎてしまうと自分の身体を壊してしまいかねません。

子どもにとって母親はあなたしかいないからこそ、たまには自分を休ませてあげつつ、育児に向き合うようにしてみましょう。

Source:
加藤望,中坪史典
「なぜ日本の乳幼児子育て期の保護者はリフレッシュ目的で一時預かり事業を利用しにくいのか?」
苫米地 なつ帆
「ワンオペ育児――わかってほしい休めない日常――」
藤田結子(著)2017年,毎日新聞出版,ISBN 978–4–620–32446–3

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著者情報

SELF

北里大学医療衛生学部出身の医療系ライターを筆頭に、精神衛生やメンタルケアに特化した記事を得意とする。学術論文に基づいた記事を多く手掛けている。

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