ネガティブ思考からおさらば!自動思考を味方につけよう

山の上
ネガティブ志向からおさらば

「ポジティブシンキングを身につけよう!」

生活していて、頻繁に聞く言葉です。
物事や人生を前向きに捉えること、簡単に身につけられたら苦労しないですよね。

この言葉と反対に、人生、うまくいかなかったことばかりを思い出してしまう…そして、次もうまくいかないかも…と何事もネガティブに考えてしまう人がいるかもしれません。

自分が何をしても失敗してしまうような気持ち、何だか毎日不安になってしまうという気持ちは、「自動思考」から生じていると考えられています。何事もネガティブに考えてしまうこの厄介な考え方に対処するすべはあるのでしょうか。

ネガティブな自動思考とは?

ネガティブな自動思考

自動思考という言葉ですが、ネガティブな考え方や捉え方を修正していく「認知行動療法」で主に使われています。
何かがあった時に反射的に頭に思い浮かぶ思考のことで、これがネガティブな方向に癖付いている時はかなり困り者です。

嫌な経験ばかりしてきたという「過去・現在否定」の気持ちや、自分はダメな人間であるという「自己否定」の考え方が強いと、これからも嬉しいことや楽しいことがないだろう、と自身の将来について明るい展望が抱けなくなり、抑うつ的な気分になっていきます。

逆に、ポジティブな自動思考もある!

ポジティブ

この抑うつ的な考え方ですが、頭に思い浮かんでもポジティブな認知をすることでその苦しみを低減することができるとされています。

物事への考え方や捉え方には、
・潜在的な認知…今まで生きてきて得た信念や考え方
・顕在的な認知…意識に浮かぶ、一瞬の反応
の2つがあります。

物事を考える上で、人生の信念としては、
「生活の中には幸福がある。自分には長所もあるし、自分の命にはとても価値がある」、一瞬の考え方としては「困難な状況だけど、自分ならきっと乗り切れるはず!」といったポジティブな考え方を常にする人もいるでしょう。

抑うつ的な考え方を促進するのは、ネガティブな発想同士が強くリンクする状況だと考察されています。一つの嫌なことについて思考した際に、他のことについてもあれやこれやと考えてしまうことの繰り返しで、何度も何度もネガティブな自己評価が繰り返されてしまう…。将来について悲観的に考えていると、なんだか物事に前向きに取り組むことができない、という気持ちになってしまいます。

そして、自分には何も解決できないという考え方が続くと、「もう逃げてしまおう」という考え方ばかりになってしまうことも。

一方、物事を前向きに捉えた考え方を繰り返していると、次第に上記の苦しい思考を打ち消していくことができます。
くよくよと思い悩まずに、別のことを考えよう!と気晴らしをする選択肢も出てきます。

結局、ネガティブな自動思考と戦うには?

ネガティブな自動思考と闘う

自動思考をポジティブなものにしていくには、結局のところどうしたらいいのでしょうか。
一例として、こちらの方法が考案されています。

1. ポジティブな帰結を生んだ体験を探す。それが自身のどういう資質から導かれたものかを考える。

例えば、あるプレゼンが上手くいったという経験があったとします。

このプレゼンが上手くいった理由としては、「真摯に取り組んだから」「限られた時間の中で集中して作業ができたから」「プレゼン力が高かったから」…色々なことが考えられます。その中で1つ、2つ、もっとたくさんの要因が絡み合って、この成功を生み出していたと考えられます。

2-1. ネガティブなことを考えている状態で、それを打ち消すことができるポジティブな要素について考える。

例えば、大事な試合で大きなミスをしたとします。

「自分は大切な場面で失敗するような人間だ」という思考が思い浮かんでしまいますが、その後の結果として、ひょっとしたら「その後たくさん練習をして、そのスポーツがぐっと上手くなった」「大きなミスをした後、色々な人が慰め、励ましてくれた」ということがあるかもしれません。

2-2. ポジティブな記憶が、今の自分にどのような影響を与えているかを考える。

2-1の続きを考えます。

「その後たくさん練習した」という結果があった場合、自身の粘り強さに目を向けます。失敗にめげずに努力し続けることができる人間だった、という証明になります。
「色々な人が慰め、励ましてくれた」という結果があったなら、たくさんの人に支えてもらえるような人間だった、という長所があると言えるでしょう。

上記のような方法を何度も行うことで、ネガティブな思考の繰り返しにポジティブな思考が割り込んで、さらにはそのような思考をどんどん頭の中に思い浮かべることができるようになります。鬱々とした気持ちを加速させるネガティブな思考のリンクが断ち切られることで、だんだんと心の沈んでいくような自動思考が軽減されていきます。

ポジティブシンキングが肝心!とはよく言うものの、実際にどうすればいいか分からない…という方は、こちらの方法をぜひ試してみてくださいね。

厄介な自動思考ですが、味方にすればとても頼もしいものです。前向きな人生を歩むためにも、日頃の考え方をどんどん明るいものにしていきましょう!


Image:Unsplash
Source:
抑うつと不安における不合理な信念と自動思考および気分の関連 (福井至、坂野雄二。人間福祉研究 2000 No3, 1-12)
抑うつの促進および低減プロセスにおける自動思考の媒介効果(義田俊之、中村知靖。教育心理学研究 2007,55,313-324)