SNSを通して生きる世代

あなたも今すぐメンタルケア!「SNSファスティング」とは

あなたも今すぐメンタルケア!「SNSファスティング」とは

今やSNSは、多くの人にとって必要不可欠なコミュニケーションツールとなっています。

技術の発展に伴い、デジタルな生活スタイルへと変化し、スマートフォンやパソコンから簡単に繋がることのできる「バーチャルな世界」に浸る時間もさらに長くなっていくでしょう。しかし、便利になる一方でこれらの行動がメンタルに悪影響を及ぼすおそれがあります。

今回は、SNSファスティング(SNS断ち、または制限)をオススメする理由と実践方法をご紹介したいと思います。

スマホを通して世界と繋がる

「SNSファスティング」を試す4つの理由

睡眠の質

睡眠の質の向上

スマホ、パソコン、テレビ、その他液晶画面のあるデジタル製品のほぼ全ては「ブルーライト」という光を発します。

最もブルーライトを発光するのは太陽です。ブルーライトは認知機能と目覚めの向上、そして睡眠サイクルを改善していく上で手助けとなる存在です。しかし、外が暗くなってからこのブルーライトを浴びることはオススメできません。日が沈んでからブルーライトに目を晒すと眼精疲労や睡眠サイクルの悪化、さらには睡眠不足など原因になりうるのです。

ハーバード大学の研究では、ブルーライトはメラトニン(自然な眠りを誘う睡眠ホルモン)を抑制する力が他の光の2倍あると結論づけられています。他の研究でも、就寝前の30分間、スマホなどの液晶画面を使用するとメラトニンが低下し、目が覚めた状態を誘引することが分かっています。

睡眠と休息は健康上欠かせないものです。
2019年に発表されたイギリスの研究結果によると、スマホなどのデバイスの使用時間を減らすだけで、メンタルヘルスや睡眠の質の向上が認められたそうです。質の高い睡眠を誘引するためにも、就寝前などのスマホの使用は控えた方がよさそうです。

ストレス軽減、リラックス効果

ストレスの軽減とメンタルヘルスの向上

今や、スマホがあればどこにいても繋がっていられる時代です。

しかし同時に、仕事や学校、部活、サークル、その他人間関係において、なかなか「オフ」と割り切って周囲と切り離せる時間が少ないとも言えます。ストレスを感じる状況が繋がりのあるコミュニティーのうち一つでも発生すると、たちまち他の多くの時間に影響することもあるでしょう。オンとオフが切り替えづらくなると、時間に関係なく対応に迫られているような心境になり、ひとつのストレスが生活の全体を覆うほど大きなストレスとなってしまいます。

2010年、世界各国の12の大学で「Unplugged(アンプラグド)」と呼ばれる大規模な実験が行われました。

アンプラグドとは、直訳すると「プラグを抜いた繋がっていない状態」というような意味です。大学生に24時間アンプラグドな状態でのデバイスを使用しない生活を送ってもらったところ、多くの生徒が中毒者と似たような禁断症状を体感し、スマホを使用せずに24時間生活することができませんでした。しかし、成功した生徒からは「リラックス効果」「心の平穏」「今ある現実に目を向けて、集中した時間を楽しむことができた」など、どれもポジティブな結果が表れたのです。

また、2015年にデンマークで行われた実験では、1000人以上の被験者を集め、1週間に渡ってFacebookがメンタルヘルスにどのような影響を及ぼしているのか研究したところ、1週間Facebookの使用をやめただけで、「今の生活への満足度」「ポジティブ感情」「ポジティブ思考」など大幅なメンタルの向上が見受けられたと報告されています。

SNSの使用時間をきちんと管理してスマホを使わない時間をつくることは、メンタルヘルスを維持する上で重要なのです。

充実した時間を過ごそう

有意義な時間の活用

スマホやパソコンなどは便利で多様性があり、私たちはついその魅力に引き込まれてしまいます。

SNSは常習癖がつきやすいようにデザインされている側面もあり、自然と使用時間が長くなりやすいのですが、逆にいえば有効活用できる時間が奪われているとも言えます。現状、世界人口の半分以上はSNSを使用しているという中で、のめり込み過ぎて他の活動がおろそかになったり、SNSで繋がっていないと禁断症状と似た症状に陥る人もいます。

市場調査を専門とするGlobal WebIndex社の2020年の調べによると、「SNSの使用者は、平均にして1日に2時間24分をSNSに費やし、平均でおよそ8つものプラットフォームやメッセージツールをまたいで使用している」と報告されています。加えて、私たちのSNS平均使用時間は年々増しています。世界保健機関(WHO)では、このデータを参考に人間の生涯のSNS使用時間を計算し、平均寿命が72歳だとすれば、およそ6年と8ヶ月になると予測しています。日本人が1日平均で食事に費やす時間は100分だと言われていますが、それをはるかに超える数字です。

もし新たな趣味や副業を始めようとしていて、それに費やせる時間が少ないと感じているのなら、自分が普段からどこに時間を使っているのか改めて見つめ直してみましょう。「意識」とは価値ある「時間の資産」です。SNSの使用を制限することで、有意義な時間への「投資」が可能となり、私たちの可能性は大幅に広がるのです。

友達との充実した時間

もっと深まる繋がり

SNS上での交流と、実際に会って交流するのとではコミュニケーションの質に違いがあります。

SNSは、現実に対する認識をゆがめてしまうおそれがあります。SNSだと、自分の投稿する写真や内容を編集したりして「いいところ」しか見せないことができてしまうからです。

しかし、実際に人と会って交流するということは、共に時間を過ごしていく上で現実的に相手の「いいところ」と「悪いところ」を認識し、理解していくことができます。相手から伝わるニュアンスや表情、間、ボディーランゲージなどの表現も含まれると考えれば、実際に会ってコミュニケーションをとる方が、より健全な人間関係を構築できると言えるでしょう。

イギリスの学術誌に記載している心理学者によると、以下のように言われています。

『テクノロジーへの過度な依存は人間の社交スキルの貧窮化を進めています。絶えずある繋がりを優先してしまう事によって意識が散漫になり、情報を長く記憶に止めておく事も難しくなり、現実世界で 有意義な会話をできる可能性が犠牲にされています。このことによって、大勢が「一緒に孤独」である現象:「いつもテクノロジーで繋がっているけど孤独である」という現象が起こっているのです

– ダリア J. クッス & マーク D. グリフィス (心理学者)

また、先述の「Unplugged(アンプラグド)」の実験では、24時間SNSから離れることで「充実した交流の時間」を現実で体感できたという声もあります。ハーバード大学の研究では、充実した人間関係や交流は長生きを促進し、感情やメンタル、肉体の健康に良いという結果が出ています。

もし「友達とSNS上で交流することが多い」という人は、会ったり電話で話したりして交流することを心がけてみるといいかもしれません。

「SNSファスティング」のやり方

SNSデトックス

では、具体的な方法をご紹介します。

1. SNSを使う時間を減らす

当たり前だと思われるかもしれませんが、まずは意識的にSNSから離れましょう。

SNSが毎日の生活に深く根付いていしまっている場合、SNSを制限することは難しいと感じるかもしれません。

しかし、中にはSNSの使用時間を制限できるというアプリがあります。そういったアプリをダウンロードするのも一つの手です。また、一気にやめる必要はありません。少しずつ時間を制限することで「今日はSNSをあまり見なかったな」という実感が持てます。2018年に出版された学術誌の研究によると、1日10分、SNSの使用時間を減らすだけで効果が実感できることが分かっているので、まずは見る時間を減らすことからはじめてみましょう。

2. 決められた期間だけSNSファスティングを試してみる

試しに、期間を決めてSNSファスティングをしてみるというのも手です。

終わったあと、どういう違いがあったかを振り返ることで、SNSがメンタルにどのような影響を与えているか実感できるようになります。

すでにSNSファスティングを実践したことがあり、さらに効果を求めたい方は、定期的なSNS制限を取り入れてみましょう。

たとえば、週1日は「SNSを使わない日」と決めたり、1ヶ月のうち1週間はSNSファスティングをするといった具合にSNSに触れない時間を習慣づけるのです。習慣にすることで心身が慣れ、SNS以外の時間の使い方が身につくことでストレス軽減が期待できるのです。

3. 寝室にスマホを持ち込まない

よく眠れないという方は、スマホなやパソコンなどを寝室に持ち込まないようにしましょう。

リラックスしやすい寝室やベッドの上では、ついついスマホに目がいきがちです。また、先述したスマホのブルーライトで眠気も妨げられてしまいます。

充電ステーションを寝室の外に移動させて、朝は目覚まし時計で起きるようにするといいでしょう。リラックスする時間こそ、なるべくスマホやパソコンと離れることが大切です。

4. 誰かと一緒にSNSファスティングをしてみよう

「SNS制限をしたら友達との繋がり薄くなる」と思っていませんか?もしそう思う人は、友達や恋人、家族と一緒にSNSファスティングをやってみましょう。

誰かと一緒に行うことで、「自分だけがSNSから取り残されてしまう」というような不安を軽減させることができます。また、誰かと一緒だと、実践していく中での難しさや楽しさについて相談・共有もできます。もし一緒にチャレンジできる人がいるのなら、SNSファスティングを通じてその人との仲も一層深まるかもしれません。


SNSによって世界中とつながることができ、人との距離を縮めてくれましたが、同時に膨大な量の情報が絶え間なく入ってくるようになりました。自身で情報の取捨選択をしなければ激流に飲み込まれ、溺れてしまいかねません。SNSによって散漫になりがちな意識を今一度集中させ、メンタルヘルスのバランスを崩さないようにすることが大切です。

便利な反面、弊害もあるということを再認識し、メンタルヘルスの維持・改善に努めましょう。SNSファスティングを通して休息をとることで、少なからず心の健康が取り戻せるはずです。

画像: Unsplash
ソース:

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